ループ量子重力理論は、時空(時間と空間)にそれ以上の分割不可能な最小単位が存在することを記述する理論である。超弦理論と並び、重力の古典論である一般相対性理論を量子化した量子重力理論の候補である。
同じく量子重力理論の候補である超弦理論は、時空は背景場として最初からそこに存在するものとして定義しており、理論自身のダイナミクスにより決定されているわけではない。それに対しループ量子重力理論は、一般相対論と同様に理論自身が時空そのものを決定している。
時空は、本質的に連続で滑らかな値をとるものと考えられてきたが、この理論で時空は、結晶格子のように離散的な値をとるものと考えられている。このため、時空を連続的なものととらえたときに起きる短距離極限の発散が生じないという利点がある。一般相対性理論から要求される座標変換に対する形式不変性を守りながらこのような時空構造を与えることに成功した量子重力理論はループ量子重力理論のみである。
空間はノード(点)とノード同士を繋ぐリンク(線)から成るグラフで表される。ループ量子重力理論で使うグラフはスピンネットワークと呼ばれる。このスピンネットワークで表される空間のつながりの変化が重力などの力の媒介、電子などの素粒子の存在を示していると考えられている。
そして、このスピンネットワークに時間を加えたものをスピンフォームと呼ぶ。スピンフォームは時計の秒針が動くように離散的に変化する。つながりの変化前と変化後の時間の差は 1プランク秒(10-43秒)で、これが積もり積もって人が感じる時間となる。
ループ量子重力理論
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/ループ量子重力理論
Loop quantum gravity
Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Loop_quantum_gravity
Loop quantum gravity (LQG) is a theory of quantum gravity, which aims to merge quantum mechanics and general relativity, incorporating matter of the Standard Model into the framework established for the pure quantum gravity case. It is an attempt to develop a quantum theory of gravity based directly on Einstein’s geometric formulation rather than the treatment of gravity as a force. As a theory LQG postulates that the structure of space and time is composed of finite loops woven into an extremely fine fabric or network. These networks of loops are called spin networks. The evolution of a spin network, or spin foam, has a scale above the order of a Planck length, approximately 10−35 meters, and smaller scales are meaningless. Consequently, not just matter, but space itself, prefers an atomic structure.
The areas of research, which involves about 30 research groups worldwide, share the basic physical assumptions and the mathematical description of quantum space. Research has evolved in two directions: the more traditional canonical loop quantum gravity, and the newer covariant loop quantum gravity, called spin foam theory. The most well-developed theory that has been advanced as a direct result of loop quantum gravity is called loop quantum cosmology (LQC). LQC advances the study of the early universe, incorporating the concept of the Big Bang into the broader theory of the Big Bounce, which envisions the Big Bang as the beginning of a period of expansion that follows a period of contraction, which one could talk of as the Big Crunch.
相対論的量子力学(Relativistic quantum mechanics (RQM))
量子力学に対して特殊相対性理論を適用した理論。
相対論的量子力学によれば、粒子に対応して必ず反粒子が存在する。ただし光子のような中性の粒子では、粒子と反粒子がたまたま同じものもある。反粒子は粒子と同じ質量と同じスピンを持ち、電荷は逆符号となる。もし粒子が他の何個かの粒子に崩壊するような不安定粒子の場合は、反粒子もまた不安定粒子であって、両者の平均寿命は相等しいことが導かれる。
超弦理論(Superstring theory)
物質の基本的単位を、大きさが無限に小さな0次元の点粒子ではなく、1次元の拡がりをもつ弦であると考える弦理論に、超対称性という考えを加え、拡張したもの。
宇宙の姿やその誕生のメカニズムを解き明かし、同時に原子、素粒子、クォークといった微小な物のさらにその先の世界を説明できる仮説として、この理論の中ではほぼ矛盾なく高度に完成している。しかし、本理論を裏付けるような実験結果は十分得られていない。
ループ量子重力理論(Loop quantum gravity (LQG))
時空(時間と空間)にそれ以上の分割不可能な最小単位が存在することを記述する理論。超弦理論と並び、重力の古典論である一般相対性理論を量子化した量子重力理論の候補である。