南海トラフ地震では静岡県から宮崎県にかけての一部で最大震度7になる可能性があると予想されており、九州から関東の太平洋では10mを超える大津波が想定されています。
その被害想定は下記の通りです。
・建物被害:2,386,000棟
・死者:323,000人
広域で震度7クラスの地震が予想されているのは、東海地震・南海地震・東南海地震の三つの地震が連動して発生する可能性があるためです。この三つの地震が同時に起こることを三連動地震と呼ぶこともあります。
また、東海地震・南海地震・東南海地震の震源域よりもさらに広域の震源域で地震が連動して発生する南海トラフ巨大地震が起きる可能性もあり、最大でM9.1が想定されています。その場合、高知県の土佐清水市や黒潮町では最大で34mの津波高が予想されており、これは10階建てビルに相当する高さです。
正しく恐れよう。南海トラフ地震・東海地震・南海地震・東南海地震の違いを紹介
by 田頭孝志
防災ニッポン
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/article/11578
今後30年以内に70%~80%の確率で発生が予想されている南海トラフ地震。地震の規模はM(マグニチュード)8~9と予想されており、切迫性の高い状態が続いています。
南海トラフ地震には、「東海地震」「南海地震」「東南海地震」など、さまざまな名称があります。この記事では、それぞれの地震の違いや、備えるポイントを紹介します。
南海トラフ地震・東海地震・南海地震・東南海地震の違い
そもそも南海トラフとは、静岡県の駿河湾~宮崎県の日向灘沖にかけて、フィリピン海プレートとユーラシアプレートが接している区域のことです。
南海トラフを震源とする地震のことを「南海トラフ地震」と呼んでいます。さらに南海トラフ地震が発生する場所によって、以下のような呼び名が使われます。
・南海地震:四国南方~紀伊半島を震源とする南海トラフ地震
・東南海地震:紀伊半島沖~遠州灘を震源とする南海トラフ地震
・東海地震:駿河湾から静岡県の内陸部を震源とする南海トラフ地震
南海トラフ地震が発生したときに、仮に高知県沖が震源なら南海地震、三重県沖なら東南海地震となります。
最近発生した南海トラフ地震は「1944年の昭和東南海地震」と「1946年の昭和南海地震」で、東海地震は「1854年の安政東海地震」から今日に至るまで発生していません。
南海トラフ地震で想定されている最悪のケースと東日本大震災との比較
南海トラフ地震では静岡県から宮崎県にかけての一部で最大震度7になる可能性があると予想されており、九州から関東の太平洋では10mを超える大津波が想定されています。
広域で震度7クラスの地震が予想されているのは、東海地震・南海地震・東南海地震の三つの地震が連動して発生する可能性があるためです。この三つの地震が同時に起こることを三連動地震と呼ぶこともあります。
また、東海地震・南海地震・東南海地震の震源域よりもさらに広域の震源域で地震が連動して発生する南海トラフ巨大地震が起きる可能性もあり、最大でM9.1が想定されています。
高知県の土佐清水市や黒潮町では最大で34mの津波高が予想されており、これは10階建てビルに相当する高さです。
なお、南海トラフ地震の被害想定は下記の通りです。
・建物被害:2,386,000棟
・死者:323,000人
東京の震度と被害想定と首都直下地震との違い
南海トラフ地震では、東京都でも多くの地域で最大震度5強の揺れが想定されています。また、最大津波高は江東区で約2.48mが予想されており、島しょ部では30mを超える津波も想定されています。
また、東京では首都直下地震も想定されていますが、南海トラフ地震とはまったく異なる地震です。首都直下地震は関東を震源とするM7クラスの大地震で、30年以内に発生する確率は70%となっています。
首都直下地震も南海トラフ地震と同様に、さまざまな震源地・マグニチュードの予想をもとに被害想定が行われています。例えば、都心南部で直下地震が発生した場合の被害想定は下記の通りです。
・建物被害:194,431棟
・死者:6,148人
このように、東京では南海トラフ地震以外に首都直下地震による大きな被害も予想されています。