小平さち子 *

メディア・リテラシーとは,メディアにアクセスする能力,メディア及びメディアコンテンツの異なる側面を理解して,クリティカルに評価でき,様々な文脈においてコミュニケーションができる能力である。テレビや映画,ラジオや音楽,印刷メディア,インターネットやその他のデジタル通信技術等,あらゆるメディアが対象となる。また,メディア・リテラシーは,若者世代だけでなく,成人も高齢者も,親,教師,メディアの専門家もすべての人にとっての基本的な能力である。
メディア・リテラシーが目標としているのは,日常生活の中で目にする様々なメディアのメッセージに対する我々の意識を高めることである。メディア・リテラシーは,メディアがいかに自分たちの物の見方や信念にフィルターをかけているか,大衆文化を形成しているか,個人の選択に影響を与えているかに対する市民の認識を高めるのに役立つはずである。また,市民にクリティカルな思考と,クリエイティブな問題解決スキルを与え,市民が情報の賢明な利用者かつ発信者になることに寄与するだろう。メディア教育は,世界のすべての国の市民一人一人に対する,表現の自由と情報獲得の権利という基本的権利の一部をなすもので,民主主義の構築と維持の手段となるものだ。
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2 thoughts on “小平さち子 *

  1. shinichi Post author

    「メディア・リテラシー」教育をめぐるヨーロッパの最新動向

    〜リテラシーの向上に向けた政策と放送局にみる取り組み〜

    by 小平さち子

    http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2012_04/20120403.pdf

    ヨーロッパのメディア・リテラシー教育には、映画教育以来の長い歴史があるが、1990年代以降は、映画やテレビにとどまらず、ゲームやインターネット等を含めた新しいメディア環境を強く意識しながら、議論が展開されてきた。そして、2000年代に入ると、デジタル時代のヨーロッパの社会・経済の発展にとって“メディア・リテラシー”の向上が不可欠との認識が高まり、EUのメディア政策や教育政策の中でも取り上げられるようになった。ヨーロッパ各国の専門家たちが協力して、“メディア・リテラシー”の有する多面的な要素を広く収集・整理し、それらが互いにどのように作用し合っているのかを明らかにして、ヨーロッパ社会の“メディア・リテラシー”のレベルの評価を試みる研究も実施されている。また、すでに各国で行われているメディア教育の取り組みを学び合う機会も広がりを見せ始めた。

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  2. shinichi Post author

    「デジタル環境下におけるメディア・リテラシーへの欧州的アプローチ」

    EC 報告書

    2007年12月

    メディア・リテラシーとは,メディアにアクセスする能力,メディア及びメディアコンテンツの異なる側面を理解して,クリティカルに評価でき,様々な文脈においてコミュニケーションができる能力である。テレビや映画,ラジオや音楽,印刷メディア,インターネットやその他のデジタル通信技術等,あらゆるメディアが対象となる。また,メディア・リテラシーは,若者世代だけでなく,成人も高齢者も,親,教師,メディアの専門家もすべての人にとっての基本的な能力である。
    メディア・リテラシーが目標としているのは,日常生活の中で目にする様々なメディアのメッセージに対する我々の意識を高めることである。メディア・リテラシーは,メディアがいかに自分たちの物の見方や信念にフィルターをかけているか,大衆文化を形成しているか,個人の選択に影響を与えているかに対する市民の認識を高めるのに役立つはずである。また,市民にクリティカルな思考と,クリエイティブな問題解決スキルを与え,市民が情報の賢明な利用者かつ発信者になることに寄与するだろう。メディア教育は,世界のすべての国の市民一人一人に対する,表現の自由と情報獲得の権利という基本的権利の一部をなすもので,民主主義の構築と維持の手段となるものだ。

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