日本という小さい市場の中で、企業が群雄割拠して、少ない利益を奪い合っている状況というのは日本にとって困難以外の何物でもない。誰もが「日本は少子化が進み、今後は飛躍的な経済成長を遂げることはむつかしい」ことを知っている。
だが、日本は世界を相手に商売し、利益を上げ続けなければ、資源が乏しく、国際経済の中で埋没していく運命にあることも知っている。隣には中国が13億という巨大な人口を喰わせていくためにあらゆる手段を使って国際経済、貿易体制に挑んでおり、経済大国の地位を中国と争うべき日本は、その役割を見失いつつある。
戦後の奇跡的な経済復興、高度成長の経験もいつしか過去のものとなり、なおかつ現在に至るまで、日本が培った経済力に見合う外交力や軍事力を持ち合わせることはついになかった。
ネットビジネスの終わり: ポスト情報革命時代の読み方
by 山本 一郎