想定外という
想定外だから仕方ない
思いもしないようなことは起こるものだ
はたして そうだろうか
想像できなかったという「想定外」がある
まったく想定しなかった「想定外」
「影響が敷地外に及んだ場合の防災」とか
「海外での反応が日本に及ぼす影響」を想定した人は
いなかったのではないか
想像はできたけれど想定していなかったという「想定外」もある
想定はしたのだけれど
対策を深く考えるには至っていなかったという「想定外」
「重大事故時の対応力の不十分さ」とか
「作業員確保」とか
「放射線廃棄物処分」とか
いろいろ浮かんでくる
安全対策を考える上で想定しないことにした「想定外」もある
想定はできたけれど
対策のための費用があまりにも高額だったために
考えないことにして
発生したら仕方ないなという「想定外」
「自然災害に対応する設計基準の低さ」などが
これに当たる
なんとか学会会長のような要職にある人が
「安全に対して想定外はない」などと言う
でも「想定外はない」などということはあり得ない
想定外はある
絶対にある
どんな仕事にもリスクマネージメントは重要だ
リスクマネージメントを真面目にやる
リスクマネージメントで手に負えない場合には 手を引く
「やらない」という選択をする
原子力発電所はリスクマネージメントで手に負えないから
もうやめる
リスクマネージメントをまじめにやれば
そういう結論になる
リスクマネージメントをまじめにやれば
想定外という言葉は消えてゆく
原子力発電所も消えてゆく
(sk)
第315作
It was far beyond our expectations
原発事故は想定外だったのか
by 尾関章
『不思議な国の原子力――日本の現状』河合武著、角川新書、1961年刊
https://ozekibook.com/2021/03/05/原発事故は想定外だったのか/
から何らかの刺激を受けて