日本国憲法第98条
第98条この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。 2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
諸外国の国内法秩序における条約の位置付け
タイプ | 例 | 備考 |
①条約に、場合によっては憲法より上位の効力を認めるもの |
オランダ憲法(91条3項・92条) オーストリア憲法(50条3項) |
いずれも、当該条約の承認には憲法改正と同等の手続を要する。 |
②条約に、憲法より下位であるが法律より上位の効力を認めるもの |
日本国憲法(98条2項)* フランス憲法(54条・55条)** チュニジア憲法(32条) クロアチア憲法(134条) コンゴ憲法(176条)** ロシア憲法(15条4項) |
* 明文の規定はないが一般にそう解されている。 **相互主義の留保を有する。 |
③条約に、法律と同等の効力を認めるもの |
米国憲法(6条2節)* スイス憲法(189条1項)* 韓国憲法(6条1項) |
* 明文の規定はないが一般にそう解されている。 |
④条約を、憲法及び議会制定法に反しない限り国法の一部と認めるもの |
ナミビア憲法(144条) 南アフリカ憲法(231節)* |
* 裁判所に法解釈にあたって矛盾しないように求める(233節)。 |
衆憲資第50号
「憲法と国際法(特に、人権の国際的保障)」
に関する基礎的資料
最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会
平成16年4月22日の参考資料)
平成16年4月
衆議院憲法調査会事務局
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/chosa/shukenshi050.pdf/$file/shukenshi050.pdf
諸外国の国内法秩序における条約の位置付け
※松井芳郎・佐分晴夫・坂元茂樹・小畑郁・松田竹男・田中則夫・岡田泉・薬師寺公夫著『国際法〔第4版〕』(2002年)有斐閣 21頁の表を基に作成した。