桑原聡

国連人権委員会のディエヌ特別報告者(セネガル)が七日、国連総会第三委員会(人権)で、日本に存在する差別を指摘、それを受けて中国、韓国、北朝鮮の代表が日本を批判したという記事が目に留まった。「差別」の存在は厳粛に受け止め、解消に向けて努力すべきだが、あまりに見事な連携ではないか。「仕組まれた」という思いがぬぐいきれない。近年、日本に「悪意」をいだくグループが「人権」を武器に、国連を利用して日本に”言いがかり”をつけることがよくあるが、今回もそうではなかったか。
そもそもディエヌ氏とはどういった経歴の持ち主なのか。そして、日本のどこをどれほどの期間調査したのか。また、彼をアテンドしたのはどういう団体だったのか。疑問は次々とわいてきた。
国連広報センターに問い合わせてみた。明らかになった事実を記す。
ディエヌ氏は一九九三年から二〇〇二年にかけて国連教育科学文化機関(ユネスコ)の文化間・宗教間対話部長を務め、〇二年に国連人権委員会により現代的形態の人種主義、人種差別、排外主義および関連する不寛容に関する特別報告者に任命された。今年の七月三日から十二日まで日本を訪れ、大阪、京都、北海道で被差別部落、在日韓国・朝鮮人、アイヌ民族などのグループと面会調査した。訪日は初めてだった。
ディエヌ氏の調査をアレンジしたのは、反差別国際運動というNGO。この団体の理事長は武者小路公秀氏。ピースおおさか(大阪市)の会長であり、金日成の思想を普及しようとするチュチェ思想国際研究所と関係の深い人物である。

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