絵やその他、いろんな美術作品で、最も大きな要素は、構図だ。
たとえば、白い紙にリンゴが3つ書いてある。それが、三角形に並んでいれば、この絵は三角形の構図。3つのリンゴの間に3本の線が見えてくる。
構図っていうのは、見えない、そこに無いものを、自分の理屈で再構築することでもある。3つのリンゴは自分の知っている三角形という概念的な形に変換され、3つのリンゴとしてではなく、「三角形」のイメージで心に響く。時として、そのイメージは描かれている3つのリンゴよりも、大きな要素となる。絵の価値を決めてしまうのが、構図だと言っても過言ではないぐらいだ。
その構図を見きわめること。それは絵画へのアプローチとして大きな課題だ。とくに、自分が制作している時などは。
絵の要素はとても複雑。リンゴには微細な斑点があるかもしれない。その斑点の色の変化が複雑なのかもしれない。だけど、そういう細部ではなく、もっと大局でモノと対峙すること。それがとても重要だ。画家はそれをどう、行っていくか。
具体的に言うと、目を細めて、視界をぼんやりさせて細部が見えない状態で絵を見る。下がって見る。
そうやって、細部ではなく、大局である、構図を見ていく。 細部が見えないようにして、という方法はこの大局を見る時点でとても重要なのだ。もちろんディテールもとても大切だ。だけど、その細密表現の中でも、重要なものと、そうでないものがある。それがどれなのか?それは一歩下がると見えてくる。
構図って何だろう
by 水無月すずめ
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