shinichi Post author12/02/2018 at 11:11 pm 平成29年度冬季 伝統工芸品オークション 台東区立江戸下町伝統工芸館 https://www.city.taito.lg.jp/index/release/201712/press1226.html Reply ↓
shinichi Post author12/02/2018 at 11:13 pm 溝呂木義一 江戸指物職人 二十九年 江戸指物みぞろぎ三代目 台東区優秀技能者 〒111-0032 東京都台東区浅草6−14−2 03-3874-3822 昭和38年浅草生まれ。18才で江戸指物みぞろぎの三代目になるべく祖父、父に師事。木どりから塗りまで全て手作業で行い、飾り棚、抽出箱、小物入れまで何でもこなす。 Reply ↓
shinichi Post author12/02/2018 at 11:15 pm 浅草発◎下駄を履いて歩こう♪<江戸指物みぞろぎ> by 富田 里枝 http://melma.com/backnumber_114665_4468545/ 和想なる日々 「江戸指物 みぞろぎ」 — 末代までも使い続けられる江戸指物 — 江戸指物(えどさしもの)とは、金釘を使わずに木材を組み立てて作る、箪笥、 鏡台、小物入れなどの木工品。設計、木どり、組み立て、塗りまですべて 手作りです。 板と板を寸分の狂いもなく組み合わせ、さらに組み手は外から見えないように 作られています。 調べたところ、西の京指物は朝廷用や・茶道具用が発達しましたが、それに 対して江戸指物は、武家や商人、また歌舞伎役者用のものが発達したのだとか。 余分な装飾の無い、木目の美しさで素材の味を生かした繊細な作りは江戸っ子 の気風を感じます。 見えない所で手間を惜しまず、職人技を駆使して作る指物は「末代までも 使い続けられる」ほど丈夫で長持ちが特徴。 — 名人だったおじいさんから受け継いで — ‘物差し’を用いることから‘指物’といわれるそうですが、 「今は機械を使っている人がほとんど。うちはまったく使ってないんだけども」 と溝呂木さん。 作業場には、鋸(のこ)、鉋(かんな)、鑿(のみ)など何十種類もの道具が 整然と並んでいます。代々使い続けている道具もあれば、自分で使いやすい ように工夫することも。 溝呂木さんはおじいさんの代からの指物師。 「祖父は、指物師として初めて叙勲をいただいた職人。僕が小学生の頃、 渥美清さんが、役で指物師を演じるというので、おじいちゃんのところに 見学に来たことがあるんです。サインもらおうと色紙持ってたんだけど、 とうとうもらいそびれた。うちの横に黒塗りのハイヤーがずらーっと 並んでるのを見たらびっくりしちゃって(笑)。」 — 注文があれば何でも作ります — ところで箪笥なども指物なんですか? 「作ろうと思えば作れるよ。指物師っていうのは、何でも作んなきゃいけない わけだから。座卓、煙草本、楊枝入れ。大きいものから小さいものまで、 注文があれば何でも作ります。」 たとえば、マンション住まいで“洋風のインテリアに似合うようなのが欲しい” と要望があったら、作れるのですか? 「うーん、洋家具の勉強してないから…。洋モノっぽく作ってる人もいるけど、 なんか格好悪いと思う。あんまりしっくりこないというか、中途半端なものに なるような気がして、やりたくないね。勉強不足なのかもしれないけど。」 最近、人気なのは? 「一時期は、座卓なんかよく売れたけど、この頃は引き出し類かなぁ。」 あそこにある、帯締め用の小引き出し、いいですねぇ! 和装関係だと他に どんなのがありますか? 「姿見や半衿箱とか。和装だけに限らずいろいろ使えるんだけども。」 アクセサリーや時計を入れるのにちょうどよさそうな小引き出しもありました。 「帯専用の箪笥もけっこう人気があるね。大きな桐箪笥は今の生活スタイルには 使いづらいせいか、高さのない低い箪笥は、意外と需要があります。」 — 材料の性質を知り尽くす — 一人前になるのに、どれくらいかかったんですか? 「とりあえずひと通りできるようになるまで、10年以上はかかったね。」 溝呂木さんは高校を卒業してこの道に入り、おじいさん、お父さんから技術を 受け継ぎました。 使う材料は、キハダ、キリ、スギ、タモなど。 木目がきれいで狂いが少ないのがキハダですが、最近は入手しづらくなって いて、キリを使うことが多くなっています。 「おじいちゃんは、スギを使うのが得意だった。スギで名前を残した人。」 木は湿度で収縮、膨張するので、作る季節にも細心の注意が必要。材料の性質を 知り尽くし、狂いが出ないように作るのが指物師の技なのです。 — 江戸指物を見直す時代 — エコが叫ばれる昨今、大量生産品の使い捨てではなく、気に入ったものを大事に 使うという時代の流れになっているのは確かだと思います。 「こないだデパートに来たお客さんがね、親父がつくった物が20年経っても 何ともないって。次が要らないってことだからさぁ。下駄なら歯が減ったから 新しいの買おうとか、あるんだろうけど。」 と苦笑する溝呂木さんでしたが、自分の好みや暮らしに合った家具を注文で 作ってもらえて、修理もできる江戸指物は、今もっと見直されてもいいのでは、 と思いました。 Reply ↓
平成29年度冬季 伝統工芸品オークション
台東区立江戸下町伝統工芸館
https://www.city.taito.lg.jp/index/release/201712/press1226.html
溝呂木義一
江戸指物職人 二十九年
江戸指物みぞろぎ三代目
台東区優秀技能者
〒111-0032 東京都台東区浅草6−14−2
03-3874-3822
昭和38年浅草生まれ。18才で江戸指物みぞろぎの三代目になるべく祖父、父に師事。木どりから塗りまで全て手作業で行い、飾り棚、抽出箱、小物入れまで何でもこなす。
浅草発◎下駄を履いて歩こう♪<江戸指物みぞろぎ>
by 富田 里枝
http://melma.com/backnumber_114665_4468545/
和想なる日々 「江戸指物 みぞろぎ」
— 末代までも使い続けられる江戸指物 —
江戸指物(えどさしもの)とは、金釘を使わずに木材を組み立てて作る、箪笥、
鏡台、小物入れなどの木工品。設計、木どり、組み立て、塗りまですべて
手作りです。
板と板を寸分の狂いもなく組み合わせ、さらに組み手は外から見えないように
作られています。
調べたところ、西の京指物は朝廷用や・茶道具用が発達しましたが、それに
対して江戸指物は、武家や商人、また歌舞伎役者用のものが発達したのだとか。
余分な装飾の無い、木目の美しさで素材の味を生かした繊細な作りは江戸っ子
の気風を感じます。
見えない所で手間を惜しまず、職人技を駆使して作る指物は「末代までも
使い続けられる」ほど丈夫で長持ちが特徴。
— 名人だったおじいさんから受け継いで —
‘物差し’を用いることから‘指物’といわれるそうですが、
「今は機械を使っている人がほとんど。うちはまったく使ってないんだけども」
と溝呂木さん。
作業場には、鋸(のこ)、鉋(かんな)、鑿(のみ)など何十種類もの道具が
整然と並んでいます。代々使い続けている道具もあれば、自分で使いやすい
ように工夫することも。
溝呂木さんはおじいさんの代からの指物師。
「祖父は、指物師として初めて叙勲をいただいた職人。僕が小学生の頃、
渥美清さんが、役で指物師を演じるというので、おじいちゃんのところに
見学に来たことがあるんです。サインもらおうと色紙持ってたんだけど、
とうとうもらいそびれた。うちの横に黒塗りのハイヤーがずらーっと
並んでるのを見たらびっくりしちゃって(笑)。」
— 注文があれば何でも作ります —
ところで箪笥なども指物なんですか?
「作ろうと思えば作れるよ。指物師っていうのは、何でも作んなきゃいけない
わけだから。座卓、煙草本、楊枝入れ。大きいものから小さいものまで、
注文があれば何でも作ります。」
たとえば、マンション住まいで“洋風のインテリアに似合うようなのが欲しい”
と要望があったら、作れるのですか?
「うーん、洋家具の勉強してないから…。洋モノっぽく作ってる人もいるけど、
なんか格好悪いと思う。あんまりしっくりこないというか、中途半端なものに
なるような気がして、やりたくないね。勉強不足なのかもしれないけど。」
最近、人気なのは?
「一時期は、座卓なんかよく売れたけど、この頃は引き出し類かなぁ。」
あそこにある、帯締め用の小引き出し、いいですねぇ! 和装関係だと他に
どんなのがありますか?
「姿見や半衿箱とか。和装だけに限らずいろいろ使えるんだけども。」
アクセサリーや時計を入れるのにちょうどよさそうな小引き出しもありました。
「帯専用の箪笥もけっこう人気があるね。大きな桐箪笥は今の生活スタイルには
使いづらいせいか、高さのない低い箪笥は、意外と需要があります。」
— 材料の性質を知り尽くす —
一人前になるのに、どれくらいかかったんですか?
「とりあえずひと通りできるようになるまで、10年以上はかかったね。」
溝呂木さんは高校を卒業してこの道に入り、おじいさん、お父さんから技術を
受け継ぎました。
使う材料は、キハダ、キリ、スギ、タモなど。
木目がきれいで狂いが少ないのがキハダですが、最近は入手しづらくなって
いて、キリを使うことが多くなっています。
「おじいちゃんは、スギを使うのが得意だった。スギで名前を残した人。」
木は湿度で収縮、膨張するので、作る季節にも細心の注意が必要。材料の性質を
知り尽くし、狂いが出ないように作るのが指物師の技なのです。
— 江戸指物を見直す時代 —
エコが叫ばれる昨今、大量生産品の使い捨てではなく、気に入ったものを大事に
使うという時代の流れになっているのは確かだと思います。
「こないだデパートに来たお客さんがね、親父がつくった物が20年経っても
何ともないって。次が要らないってことだからさぁ。下駄なら歯が減ったから
新しいの買おうとか、あるんだろうけど。」
と苦笑する溝呂木さんでしたが、自分の好みや暮らしに合った家具を注文で
作ってもらえて、修理もできる江戸指物は、今もっと見直されてもいいのでは、
と思いました。