津田淳子

OLYMPUS DIGITAL CAMERA製本の特集をするからには、本誌自体にもなにか工夫をと思ったのですが、おもしろかったり突飛な製本をするよりも、本書の製本構造が見えるというのがいいなと、特集をつくり始めてから思いました。そこで今回は、表紙を透明シート(PET素材)にすることで、いつもは見えない、表紙の中の部分が見えるようなしくみになっています。


OLYMPUS DIGITAL CAMERAそうそう、今回の表紙、実はタイトルが刷られていません。
言葉だけだと「?」と思われるかもしれませんが、透明表紙から本扉が透けて見えるので、タイトルはそちらのものが見えているという仕様です。
表紙からもバッチリ目立つ赤、白、黒の階段状の綴じ込みは、リニューアルしたNTラシャの新色「濃赤、漆黒、無垢」の3色。ほんっとうに濃い色で美しい。

3 thoughts on “津田淳子

  1. shinichi Post author

    『デザインのひきだし23』製本特集、発売です!

    by 津田淳子

    グラフィック社編集部

    デザインのひきだし・制作日記

    http://dhikidashi.exblog.jp/22736484

    この数ヶ月、いろいろな製本会社に伺って、見て聞いて触って、ときには匂いをくんくんかいだりと、製本を思う存分堪能した本誌編集部。その成果がいよいよ発売となりました。

    そう、今回は「紙を綴じる=製本加工をもっと知る!」と題して、製本加工を大特集しています。

    印刷自体もおもしろい。でも印刷した後に折ったり綴じたりする。すると平面だったものが立体、半立体になって「もの」になる。そうなるとより一層たのしくおもしろくなる。いやぁ、不思議な感覚です。

    今回は、巻末特集やミニ特集などは一切設けず、もう製本一筋。実はここ数年(もっとかも)、製本に関するまとまった特集や書籍は出ていないのが現状。手前味噌ながら、紙を綴じて本や冊子にするということに興味がある方、今現在そんな仕事に携わっている方には必見だと思います。ぜひ書店で現物をご覧いただきたいと思います。

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  2. shinichi Post author

    素晴らしき製本

    第1回 グラフィック社「デザインのひきだし」編集部 津田 淳子様 | 製本のひきだし

    http://sei-hon.jp/interview/01-tsuda.html

    intro01

    –津田さんはこの「デザインのひきだし」を発刊当初から担当されていますが、そもそもどんなコンセプトで発刊した本なのでしょう?

    私は「デザインのひきだし」を作る前から編集の仕事をしていたのですが、こんな製本、印刷がしたい、こんな紙を使いたいという要望があった時に、お願いする印刷会社の方の知識や意欲に差があって、実現できないことがありました。印刷会社の方には価格が合わないと言われたけど、ホントにお金が合わないのか?本当のところがわからないままで、せっかく面白いものを作りたいと思っていてもなかなか実現できないというジレンマを感じていました。おそらく私だけでなく、こう感じている人はたくさんいるのではないか?と思ったことと、一方製造する方々も「うちの会社ではあんなこともこんなことできるのに・・・」ということが、伝わらずに悶々とした思いをお持ちではないか?とも感じていて、知りたい側と伝えたい側をつなぐ場を提供できないだろうか?と考えたのがきっかけです。

    頼む時の手掛かりとして、例えば「あの加工はこの会社でできるんだ」とか「この加工はこんな名前なんだ」・・・という情報を提供することで、このモヤモヤした状態から何か変わるんじゃないか?ということで「デザインのひきだし」が生まれました。

    おもしろいモノを創りたい人と、造れる人をつなぎたい・・・というのがコンセプトかもしれません。

    –毎回、さまざまなテーマの特集を組んでいますが、このテーマはどうやって決めているのですか?

    もともとは読書好きが高じて編集者になったのですが、この仕事をするうちにどんどん作ることの面白さにはまってしまい、もう再来年くらいまでやりたいテーマが決まっているんです!

    弊社は書籍の出版社なので、この本も雑誌ではなく書籍扱いのため、雑誌のようにプロジェクトを組んで動くわけではなく、この本に関しては、私一人で企画して全て作っています。もちろんたくさんの方にご協力いただいていますが・・・。ですから、特集のテーマは基本的に自分の知りたいことをテーマにしているような感じです。取材や立ち合いなどで現場に行ったり、デザイナーの方と話したりした雑談の中から、そういうことを知りたいんだ!こういうの面白いな・・・ということが無意識に蓄積され、その中から次のテーマが見つかってくるという感じだと思います。

    印刷・紙・加工がホントに大好きで、こんな面白いものはないと思っています。ですからある意味、自分の知りたいことを調べて書いているだけなので、ある人からは「夏休みの自由研究を毎回やっているみたいだね・・・」と言われたこともあります。現場に行くと、新しい発見があり、行けばいくほど知りたいことが増えていく感じで、やりたいことがどんどん増えていくんですよね。

    –第7号では「製本加工はここまでできる!」という特集を組んでいますが、どんなきっかけで製本に注目したのでしょうか?

    この本を始める時から、いつかは製本加工の特集をしよう!と思っていました。書籍の製本はほとんどが東京で、ブックデザイナーも東京に集中していますが、会社案内や、パンフレット、メモブロックといった商業印刷物や手帳などいろんなものを含めると、全国で作られているので、地方の読者の方にも役立つ情報を集めることができるのならば、ということを考えしばらく様子をみていました。2年経って「これは大丈夫!」という確信が持てたこともあり、7号目で「製本」を特集することにしたんです。

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