片岡鶴太郎

ある日突然、朝、出掛けになんとなく朱色の気配を感じてふっと見たら、「いやぁ、なんてかわいい素敵な花だろう」と胸がキュッとするような体験をしたのが椿だったんです。そしたら、無性に椿を描きたい、描けるようになりたいと思うようになったんですね。それまでだって椿や花は見ていたのに、たしかにきれいだとは思っても感動までは覚えたことがなかった。はじめて花に感動したのが、その瞬間、その椿。そして、花に感動した自分の感性に、自分自身が驚いた。

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