(1) 長期的にはインフレ率の高い国の通貨は、価値が下がって下落する
(2) 円はずっとインフレ率が低いままなので、強くなってきたのはむしろ当然
この「2つの国の為替レートは、その通貨が買えるモノの価値が同じになるように決まる」というという考え方を、購買力平価説という。
購買力平価は長期的には成り立つが、短期的には大きく乖離してきたことが多い。だから短期や中期の予測を求められる金融機関のディーラーやアナリストは、購買力平価についてほとんど言及しない。その結果、世の中全体にも、現実には役立たない考え方と思われている。
世間には「為替は国力を表すはずだ。少子化で衰退していく国の通貨が上昇するのはおかしい」というような漠然とした「刷り込み」のようなイメージがある。
基本的に為替レートは単純にモノとモノとの交換レートに過ぎない。為替が国力を表したり、成長率が高い通貨が買われたりするというのは幻想にすぎない。
ユーロ相場で考える「為替=国力説」の”幻想” 外貨投資の誤解
by 田村正之
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXNASFE15016_V10C10A6000000&uah=DF_SEC3_C4____