法隆寺の夢殿には、救世観音像と称されてきた仏像が安置されています。救世観音像は、明治17年、米国人のアーネスト・フェノロサ、岡倉天心と加納鉄斎によって開扉されるまで、長い布によって包まれ、封印という言葉にふさわしい状況にあった謎の仏像です。
では、なぜ、謎であるのか。それは、『日本書紀』や『古事記』、そして、法隆寺関連史料などのいかなる史料も、この仏像が、いつ、誰によって造仏されたのか、モデルがあったとしたならば、それは、いったい誰であったのか、そして、なぜ、秘仏化・封印されるに至ったのか、その経緯を黙して語らないからです。
救世観音像は、法隆寺の東院伽藍の本尊として、1千年以上にわたって、たいせつに祭られてきたにもかかわらず、あまりに謎多き仏像なのです。
倉西裕子のブログ
救世観音像の謎に迫る
http://blogs.yahoo.co.jp/nihonshinoiratsume/23980658.html
法隆寺夢殿の救世観音像
http://blogs.yahoo.co.jp/nihonshinoiratsume/25868472.html
百済観音像と救世観音像の不思議な関係
http://blogs.yahoo.co.jp/nihonshinoiratsume/26165294.html
倉西裕子の著書
『日本書紀の真実 紀年論を解く』 2003
『「記紀」はいかにして成立したか 「天」の史書と「地」の史書』 2004
『聖徳太子と法隆寺の謎 交差する飛鳥時代と奈良時代』 2005
『国宝・百済観音は誰なのか? 実在したモデルとその素顔』 2006
『救世観音像封印の謎』 2007
『吉備大臣入唐絵巻 知られざる古代中世一千年史』 2009
『古代史から解く伴大納言絵巻の謎』 2009
『仏教伝来の源流 百済観音と救世観音がむすぶ東洋と西洋』 2010
『源氏物語が語る古代史 交差する日本書紀と源氏物語』 2011