倉西裕子

guzekannonzofuuinnonazo法隆寺の夢殿には、救世観音像と称されてきた仏像が安置されています。救世観音像は、明治17年、米国人のアーネスト・フェノロサ、岡倉天心と加納鉄斎によって開扉されるまで、長い布によって包まれ、封印という言葉にふさわしい状況にあった謎の仏像です。
では、なぜ、謎であるのか。それは、『日本書紀』や『古事記』、そして、法隆寺関連史料などのいかなる史料も、この仏像が、いつ、誰によって造仏されたのか、モデルがあったとしたならば、それは、いったい誰であったのか、そして、なぜ、秘仏化・封印されるに至ったのか、その経緯を黙して語らないからです。
救世観音像は、法隆寺の東院伽藍の本尊として、1千年以上にわたって、たいせつに祭られてきたにもかかわらず、あまりに謎多き仏像なのです。

2 thoughts on “倉西裕子

  1. shinichi Post author

    倉西裕子の著書

    『日本書紀の真実 紀年論を解く』 2003 

    『「記紀」はいかにして成立したか 「天」の史書と「地」の史書』 2004

    聖徳太子と法隆寺の謎 交差する飛鳥時代と奈良時代』 2005

    国宝・百済観音は誰なのか? 実在したモデルとその素顔』 2006

    救世観音像封印の謎』 2007

    『吉備大臣入唐絵巻 知られざる古代中世一千年史』 2009

    『古代史から解く伴大納言絵巻の謎』 2009

    『仏教伝来の源流 百済観音と救世観音がむすぶ東洋と西洋』 2010

    『源氏物語が語る古代史 交差する日本書紀と源氏物語』 2011 

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