検索エンジンやソーシャルメディアといったインターネットの世界では
興味の一致する人や自分に似た人にしか出会わない
自分の気に入ることだけを切り取ってきた世界には
同じ意見や同じ好みを持った人が集い
その世界にしかない事実が生まれ
その事実を間違っているという人は
その世界には入ってこない
外の意見は見事なまでに無視され
批判的な意識は消え
正しいと信じることが確信になってゆく
親しさに溢れる世界は快適で
公共性は遠いものになり
プライバシーは意味を失う
遠さまでもが取り除かれた近さだけの世界は
ほかの世界と見事なまでに隔絶していて
外に向かって開こうとすることはなく
外のことを気にすることもない
この世界も あの世界も どの世界も
この人も あの人も どの人も
決して交わることはない
(sk)
第464作
Division
『透明社会』by Byung-Chul Han に大きな刺激を受けて
親密社会
展示社会
露出社会
プライバシーのない社会
社会 社会 社会