男性と女性では異性に関して、「感じる能力」に大きな差があり、大抵の場合、女性のほうが高くなっています。それもそのはず。女性は、子どもを産むのに命がけです。種によっては1回の生殖に2~3年もかかるのです。
一般的に女子の方が「恋の確信が深く」、「相手に厳しい」のはこのためです。厳選した遺伝子の相手に一時期はしっかりほれるけども、恋の興奮が去った後に相手の「あら探し」をはじめるのは種の戦略なのです。
一方男性は、生殖に関して命を失うことはほとんどなく、時間でいえば、30分もあれば済むので、「異性のあら探し」をしないのです。とくにプライベートエリア内(手の届く範囲)に入ってきた異性に関して、とてもとても観察力が低いです。バストやヒップが豊かでウェストがくびれている、などという「女性ホルモン分泌の証し」となるポイントには刺激を受けるものの、彼女の表情や髪型になんて、とんと意識が行きません。細かいあら探しはせずに、目の前の異性が発情すれば、これに応えて、鷹揚に発情してやる、という感じです。
女性からしたらそんな簡単に…・・・とビックリする話ですが、男性脳の観察力の低さは、生殖能力の高さの証しなんです。
by 黒川伊保子
https://woman.mynavi.jp/article/160530-104/
「彼女の気持ちがわからない!」「どうして私の気持ちをわかってくれないの!」
こうした「気持ちのすれ違い」は、男女間でよく起こるトラブルの1つですが、男女脳の違いが原因で起きているのを知っていましたか? 女性はよく男性に「察してほしい」と態度や行動で示しますが、この察するということが男性にはなかなか難しいようです……。
そこで今回は、「女性の察して行動」が男性にNGな理由について、黒川イホコ先生にお聞きしました。
●生き残るために「察しない」男性脳
異性を見る目が厳しいのは……
察してくれない男性にイライラする気持ち、わかります。でもね、男性脳は、「目の前の異性のあら探しをしない」脳。種の保存のためにあえて「察しない」ことを脳が選んでいます。そのため、男性に「察して」と要求するのは、むちゃだというもの。男性にとっては酷です。では女性はどうしたらいいのか。それをお教えする前にまずは、「生物の生殖」について説明していきます。
そもそも私たちが恋に落ちるとき。動物の雄雌は、異性の体臭の中に含まれる匂い物質フェロモンを嗅ぎ分けて、生殖相性のいい相手を見いだしています。このフェロモンは、免疫抗体の型の遺伝子と一致していると言われ、異性の生体としての様子がわかるのです。これは、主に潜在意識で嗅ぐ匂い。つまり知らないうちに嗅ぎ分けているわけですね。
一生に1回しかつがわない昆虫は、オスもメスも、この“フェロモン・センサー”が鋭敏に働きます。たった1回しかない生殖で、相手を間違えるわけにはいかないからです。どれくらいセンサーが鋭いかというと、昆虫のオスであれば数キロメートル離れた数百匹いるメスのコロニーから、「もっとも相性のいいメス」を見つけて真っすぐて飛んでこれるくらい。
哺乳類の場合は、メスとオスで生殖リスクがまったくちがうので、メスの方が圧倒的にフェロモンのキャッチ力が高いと言われています。つまり、生殖リスクが高い方(子どもを産むのに命がけの方)が、失敗に慎重になるため、より相手を厳選するわけですね。
●25歳の女性を落とすのがもっとも難しい
では人類の場合はどうなのか。じつは25歳の女性が、もっともフェロモン・センサーが高く、「数十メートル離れた、相性のいい異性の匂いをキャッチしている可能性がある」とさえ言われています。(ちなみに、25歳をはるかに超えて、これから相手を見つけると言う方、がっかりしなくても大丈夫。射程範囲が短くなったら、足で稼げばいいだけです。)
フェロモン・センサーが鋭敏だということは、異性のよりごのみが激しいということでもあります。つまり20代の女性の場合、10人のイケメンにいきなり抱きしめられて、その中から気持ちいいと感じる相手はせいぜい「1人いるかいないか」。たいていは気持ち悪いと感じるのです。
一方、20代の男性はどうでしょうか。10人の美女にかわるがわる抱きしめられたら、どれもそれなりにうれしいはず。「触られるのがどうしても嫌だ」という相手は1人いるかいないかでしょう。
このように、男性と女性では異性に関して、「感じる能力」に大きな差があり、大抵の場合、女性のほうが高くなっています。それもそのはず。女性は、子どもを産むのに命がけです。種によっては1回の生殖に2~3年もかかるのです。
一般的に女子の方が「恋の確信が深く」、「相手に厳しい」のはこのためです。厳選した遺伝子の相手に一時期はしっかりほれるけども、恋の興奮が去った後に相手の「あら探し」をはじめるのは種の戦略なのです。
一方男性は、生殖に関して命を失うことはほとんどなく、時間でいえば、30分もあれば済むので、「異性のあら探し」をしないのです。とくにプライベートエリア内(手の届く範囲)に入ってきた異性に関して、とてもとても観察力が低いです。バストやヒップが豊かでウェストがくびれている、などという「女性ホルモン分泌の証し」となるポイントには刺激を受けるものの、彼女の表情や髪型になんて、とんと意識が行きません。細かいあら探しはせずに、目の前の異性が発情すれば、これに応えて、鷹揚に発情してやる、という感じです。
女性からしたらそんな簡単に…・・・とビックリする話ですが、男性脳の観察力の低さは、生殖能力の高さの証しなんです。
●女性脳は察っする天才
さて、女性脳の感じる力は、つがう相手の厳選だけにとどまりません。もの言わぬ赤ん坊を無事に育てるために、人類の女性が進化させてきた力=「察する能力」。それは、女性たち本人の想像もはるかに超えます。
「偶然」だと思った出来事についてとったアンケートでこんな回答がありました。
「ある日、買い物に出たら、急に風邪薬と目が合ったんです。気になって仕方ないので、買って帰りました。わが家は、風邪薬を常備する家じゃないのに。そうしたら、その晩帰ってきた夫が、『風邪気味なんだ、風邪薬ある?』と聞いてきました。結婚して17年、一度も風邪薬なんて買って帰ったこともなければ、あるか聞かれたこともないのに、偶然同じ日でした~」
このように、女性は家族が家を出るときの何らかのバイタル変化に、無意識に気づき対処してしまいます。大切に思うものを案じ、察して暮らすことで、本人も知らないうちに、大切な存在のリスクヘッジをしているのですね。
●女は「察してくれない」ことに傷つく
さて、私たちはそんなふうに大切に思う相手の様子を察して生きているので、当然、相手も察してくれるものと脳が思い込んでいます。
私は新婚のとき、せきをしながらお茶わんを洗っているのに、気がつきもしない夫に絶望したことがあります。「大丈夫? 僕がやるよ」という優しい言葉を待っていたのにいつまでも何もしてくれない夫。ついにしびれを切らし、「どうして、気づいてくれないの!」となじったら、「やってほしいなら、言えばいいじゃん」といわれました。(怒)
このように、男子は察する能力が低く、そのうえ察することにそれほどの価値を見いだしていないので、「やらなかった」ことに対しては謝っても、「察することができなかった」ことに謝ることはありません。それどころか「言えばいいのに」「言ってくれればやったのに」と言って、さらに女性を傷つけます。
女性は、「やってくれないこと」よりも「察してくれないこと」に傷ついているのです。そのため男性諸君は、察しなかったことをあやまりましょう。「キミの気持ちに気づかなくてごめん」と謝れば、女性は彼からの「察したい気持ち」が伝わり愛を感じます。しかしこれがわかっている男子は本当に少ない。
ちなみに、男がムカつく女の一言No.1は、「だから、言ったじゃないの」だそうです。口をすべらせないようにご注意を!
●察してもらうことで愛をはからない
というわけで、男性脳は「察すること」に重きを置いていない上に、生殖戦略として、目の前に異性の観察力がとんと低いので、「察しない」のが正常です。「察してくれない」=「愛していない」ではないので、察してもらえなくても気にしないようにしましょう。
とはいえ彼からの配慮ある一言が欲しい場合は、彼を育てるのも手です。彼が失敗したときに「私も○○してあげればよかったね」と声をかけ続けることで、彼にその口癖をうつしましょう。
察してくれないことで不満を募らせ、相手をなじって暮らすのは愛を枯らしてしまいます! お互いの違いを理解することで2人の愛をしっかり育てましょう。
<女性がとるべき行動>
・彼が失敗したときに「私も○○してあげればよかったね」と声をかけ続ける
・察してもらうことで愛をはからない
<NG行動>
・察してくれるまで相手を待つ
・察してくれないことをイライラする
黒川伊保子プロフィール
http://ihoko.com/profile
株式会社 感性リサーチ 代表取締役社長
人工知能研究者、作家
日本ネーミング協会理事、日本文藝家協会会員
専門領域:ブレイン・サイバネティクス
1983年奈良女子大学理学部物理学科を卒業、コンピュータ・メーカーに就職し、
人工知能(AI)エンジニアを経て、2003年、ことばの潜在脳効果の数値化に成功、大塚製薬「SoyJoy」のネーミングなど、多くの商品名の感性分析に貢献している。
また、男女の脳の「とっさの使い方」の違いを発見し、人類のコミュニケーション・ストレスの最大の原因を解明。
その研究成果を元に多くの著書が生み出されている。中でも、『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』は、家庭の必需品と言われ、ミリオンセラーに及ぶ勢い。
主な著書に、『恋愛脳』『夫婦脳』『家族脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『ヒトは7年で脱皮する~近未来を予測する脳科学』(朝日新書)『女の機嫌の直し方』『ことばのトリセツ』(インターナショナル新書)『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『共感障害』(新潮社)、『母脳』『英雄の書』(ポプラ社)など。
**
1959年 長野県生まれ、栃木県育ち
1983年 奈良女子大学 理学部 物理学科卒
(株)富士通ソーシアルサイエンスラボラトリにて、14年に亘り人工知能(AI)の研究開発に従事した後、
コンサルタント会社勤務、民間の研究所を経て、
2003年 (株)感性リサーチを設立、代表取締役に就任。
2004年 脳機能論とAIの集大成による語感分析法『サブリミナル・インプレッション導出法』を発表。サービス開始と同時に化粧品、自動車、食品業界などの新商品名分析を相次いで受注し、感性分析の第一人者となる。
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