竹内久美子

女は、身長が狩りに及ぼす影響も、またそれが狩リの成果であることも、ほとんどわかっていなかっただろう。ただわけもなく背の高い男に惹かれてしまう女は、結果的に十分な食べ物を手に入れ、子を多く残せたのである。
男の身長はかつての「月収」だった。愚かなことに、女はまだそれにこだわっているというわけだ。

3 thoughts on “竹内久美子

  1. shinichi Post author

    背が高いということは、それだけでも狩りに有利である。草原での見晴らしは効くし、足も長いはずだから、走るのにも適している。それに何より獲物やライバルの肉食獣と対面したとき、彼らに与える威圧感が違う。日高敏隆氏はかつておもしろいことを言った。「たとえば、馬やラクダが人間の言いなりになってしまうのは、彼らが人間を実物よりはるかに大きな動物だと思っているからだ。彼らの論理からすれば、我々の足は前足で、体の後ろには水平の胴体と後ろ足がついているはずなのだ」これは、なぜ人間が立ち上がったのかという問題とも深く関わっているが、ともかく背の高さが狩りの成功に及ぼす効果について疑問の余地はない。
    しかし、これにもう一つ別の見方をつけ加えてみてはどうだろうか。男の身長は狩りに影響を及ぼすだけでなく、狩りの成果でもあると考えるのである。獲物を多く仕留め、豊富な食物を得ることができる者は、骨を成長させ、立派な体躯を発達させる。遺伝的要因も見逃せないが、食料難の時代に育った人々が皆一様に伸び損なったように、栄養状態は骨の成長に如実に反映される。つまり、背の高い男は、ただ黙って立っているだけで、自分がいかに優れた狩人であるか、食べ物には少しも困っていないのだということを誇示できるのである。
    もっとも、彼の成長期には彼自身はあまり狩りをしないか、父親の見習いとして狩りに同行するという程度だったかもしれない。けれど、それでもいいのである。彼は、彼を成長させてくれた父の資質を受け継ぎ、やはり狩りの名手で、等しく甲斐性のある男のはずだからだ。

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  2. shinichi Post author

    背の低い人間の種が、飛び道具を手にすることによって、背の高い人間の種との戦いに勝利し、その結果、私たちがここにいる。背の低い人たちは、勝つためのいろいろな戦略や戦術を考えなければならなかったが、背が低いという不利な条件のおかげで飛び道具を手にし、1対1の闘いを避けることで勝利を得た。背が高ければもてるというのも短絡的すぎる。

    オーウェンとクラウチを見たとき、オーウェンは俊敏でクラウチはのろまに映る。オーウェンは背が低いのにもかかわらずと褒められ、クラウチは背が高いくせにと貶される。インザギは俊敏なので背が低いと思われ、アンリの背が高いとは誰も言わない。

    この世の中、背が高いことはアドバンテージではない。ミッテラン、ロカール、サルコジ。その誰もが、背が低いおかげで頭がいいと思われ、信頼された。。。わけないか。

    キムタクの背がもっと高かったら、あそこまでモテたかどうか。。。

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