赤系の伝統色は 禁じられた色
紅 退紅 薄紅 韓紅 桜 撫子色 躑躅色 牡丹色 真朱 洗朱 銀朱 鴇色 緋色 茜色 猩々緋 蘇芳 葡萄色 臙脂 小豆色 紅絹 桃色 一斤染 赤白橡 紅梅 今様色 蒲色
憧れの色の衣を身につける
それを夢見る

黄 橙系の伝統色は 古くて新しい色
山吹色 鬱金 承和色 刈安 菜の花色 卵色 鳥の子色 纁 黄蘖 芥子色 菜種油色 萱草色 女郎花 柑子色 洗柿 梔子 橙色 曙色 照柿 黄丹 朱華 赤朽葉
春の菜の花の色も 秋の柿の実の色も
鮮やかで 優しい

青系の伝統色は 空の色 海の色
浅葱色 千草色 水色 藍色 紺 空色 鉄紺 茄子紺 縹 留紺 褐色 御召茶 甕覗 桔梗 新橋色 群青 瑠璃 露草色 舛花色 水浅葱 熨斗目色 青鈍 納戸色 錆御納戸
空の色が水に映り
光が色になる

緑系の伝統色は 木の葉や草を揺らす風の色
萌黄 苗色 草色 若緑 柳色 緑青 青丹 苔色 抹茶色 若竹色 青竹 鶸色 若草色 裏葉色 青白橡 青緑 浅緑 鶸萌黄 若葉色 青磁色 深緑 白緑 松葉色 海松色 木賊
緑は生きているものの色だから
命が終われば 消える

紫系の伝統色は 心を惑わす怪しい色
紫 濃色 薄色 藤色 藤紫 菖蒲色 紫苑 二藍 紅掛花色 半色 紅藤色 江戸紫 京紫 杜若色 竜胆色 紫紺 似紫 滅紫 菫色 楝色
高貴な色なのか 淫らな色なのか
結局は躊躇いの色なのではないのか

茶系の伝統色は あたたかい大地の色
茶色 団十郎茶 柿渋 璃寛茶 路考茶 檜皮色 江戸茶 鶯茶 煉瓦色 土器色 弁柄 雀色 丁子 琥珀色 胡桃色 枯色 生壁色 海松茶 黄土色 白茶 羊羹色 栗色 代赭色 飴色 狐色 媚茶 千歳茶 朽葉 黄櫨染 桑染 唐茶 鳶色
土の色はいつのまにか輝きを獲得し
金の色になる

黒 白系の伝統色は 書の そして水墨画の世界
墨色 鼠 藍鼠 消炭色 漆黒 橡 灰汁色 黒橡 鈍色 利休鼠 鳩羽鼠 灰桜 梅鼠 鉛色 空五倍子色 憲房色 胡粉 灰白 乳白色 練色 鉛白 卯の花色 砥粉色 白土
色が消え 薄い色も 淡い色も 消え
残ったものを 黒と呼び 白と呼ぶ

胡粉と乳白色と鉛白と白土だけで絵を描いていたら
色のない世界に心が溶けていった

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