曽野 「こんなにひどい津波は見たことがない、一千年に一度の災害、と言われていますが、予想の範囲を超えていて、誰にも責任はないことをハッキリしないといけません」 。。。
渡部 「過剰な原子力・放射能アレルギーのある日本社会のなかで、これだけの原発を建設した人たちは偉いと思う。今となっては、これ以上の地震がきても耐えられるように、より頑丈にするから応援してくれ、というしかないでしょう」 。。。
曽野 「私は、未だに答えのない疑問を持っているんです。「避難所が寒くて凍えそうだ」「低体温症で体調を崩している」「温かいものが食べられない」という報道がありましたが、あれはなぜ? そこらじゅうにあんなに薪があるじゃないですか。瓦礫の処理が大変だと言っていますが、どうして木片は燃やさないんですか」 。。。
渡部 「日本が立派すぎるんだな」 。。。
曽野 「放射線の強いところだって、じいさんばあさんを行かせればいいんですよ」
『WiLL』 2011年6月号
昇一先生の美女対談
不幸からの贈り物が日本人を鍛える
(渡部昇一、曽野綾子)
曽野 「こんなにひどい津波は見たことがない、一千年に一度の災害、と言われていますが、予想の範囲を超えていて、誰にも責任はないことをハッキリしないといけません。その代わり、決められていたよりも手を抜いてつくられていたものに対しては、厳罰を下す。そこを分けて考えないと、誰もやる人がいなくなります。
私は水力発電のことしか知りませんが、建設には仕様書があって、どこまでの事態を想定するのか、決壊したら何トンの水が何分後にどこに到達するのかが考慮されています。しかし、それを考えるのは東電ではありません。そもそもの想定が甘かったなら、責任は東電ではなく設計側にあります。」
編集部 「天災には文句が言えないので、東電がスケープゴートになっている面がありますね。」
(中略)
渡部 「過剰な原子力・放射能アレルギーのある日本社会のなかで、これだけの原発を建設した人たちは偉いと思う。今となっては、これ以上の地震がきても耐えられるように、より頑丈にするから応援してくれ、というしかないでしょう。」
(中略)
曽野 「原発や被災者支援などに対するマスコミの質問もおかしかったですよ。「明日はどうなるんですか」「物資は公平に配られていますか」ですって。もうやめてもらいたいですね。この非常時に、予定どおりの明日がくるなんて誰にも分からない。
そして、電気が消えた時点で、民主主義というものは停止するんです。公平も平等も機能しないんです。それがわかっていない。もっとひどいのは、「その委員会はいつ立ち上げたんですか」。緊急の時に過去のことなんか聞くな、でしたね。
私は報道に関しては、あれだけの地震や津波の映像をきっちり記録してすぐに国民に知らせたり、原子力保安員や東電がきちんとぺーパーをつくって毎日現状報告をしていることは、すばらしいことだと思う。」
(中略)
曽野 「私は、未だに答えのない疑問を持っているんです。「避難所が寒くて凍えそうだ」「低体温症で体調を崩している」「温かいものが食べられない」という報道がありましたが、あれはなぜ? そこらじゅうにあんなに薪があるじゃないですか。瓦礫の処理が大変だと言っていますが、どうして木片は燃やさないんですか。
同じ高さの石を三つ積めば竈(かまど)ができるんです。そこに、あれだけ燃やすものがあるんだから、あとはどこからか鍋を拾ってくればいい。私だったら、あそこで薪を集めて食事をつくります。」
(中略)
(中略)
渡部 「日本が立派すぎるんだな。」
曽野 「ほんとうにそうなんです。そこがいいところではあるんですが、甘さにもなる。だから、ゲリラ学を教えたいんです。
もう一つ言うと、私は定年制には大賛成で、ある程度、歳がいった老人は黙ってろ、と思うんです。けれど、世の中には実にたくさんの体験を持つ高齢者がいらっしやる。今回のような場合、そういう人たちの知恵を暫定的にどんどん使えばいいと思う。
放射線の強いところだって、じいさんばあさんを行かせればいいんですよ。何も若者を危険にさらすことはない。私も行きますよ。もう運転免許は失効していますが、あそこは私有地だから無免許でも構わないでしょう(笑)。
ほうれん草からヨウ素が出たときも、ある人が「五年後に症状が出るなら、そのころは八十五歳だからちょうどいい」なんて言っている人がいました。」
渡部 「養老院で使うとかね。」
曽野 「かえって元気になるかもしれません(笑)。水道水だって、ヨウ素は八日経てば半減するんでしょう。私は空き瓶に水道水を詰めて日にちを書いておくことにしました。飲まないでいるうちに八日以上経ちましたから、もういいはずですね。」
(以下略)
Transnational History
http://d.hatena.ne.jp/dj19/20110518
「放射線の強いところに、じいさん(渡部昇一) ばあさん(曽野綾子)を行かせればいい」 という意見に大賛成です。