Category Archives: poem

Khalīl Gibrān

Love one another, but make not a bond of love:
Let it rather be a moving sea between the shores of your souls.
Fill each other’s cup but drink not from one cup.
Give one another of your bread but eat not from the same loaf
Sing and dance together and be joyous, but let each one of you be alone,
Even as the strings of a lute are alone though they quiver with the same music.
Give your hearts, but not into each other’s keeping.
For only the hand of Life can contain your hearts.
And stand together yet not too near together:
For the pillars of the temple stand apart,
And the oak tree and the cypress grow not in each other’s shadow.

吉野弘

生命は 自分自身だけでは完結できないように つくられているらしい
花も めしべとおしべが揃っているだけでは 不充分で
虫や風が訪れて めしべとおしべを仲立ちする
生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ
世界は多分 他者の総和
しかし 互いに 欠如を満たすなどとは 知りもせず 知らされもせず
ばらまかれている者同士 無関心でいられる間柄
ときに うとましく思うことさえも許されている間柄
そのように 世界がゆるやかに構成されているのは なぜ?

花が咲いている すぐ近くまで 虻の姿をした他者が 光をまとって飛んできている
私も あるとき 誰かのための虻だったろう
あなたも あるとき 私のための風だったかもしれない

Paul Eluard

Sur mes cahiers d’écolier
Sur mon pupitre et les arbres
Sur le sable de neige
J’écris ton nom

Et par le pouvoir d’un mot
Je recommence ma vie
Je suis né pour te connaître
Pour te nommer

Charles Baudelaire

A une passante
 
La rue assourdissante autour de moi hurlait.
Longue, mince, en grand deuil, douleur majestueuse,
Une femme passa, d’une main fastueuse
Soulevant, balançant le feston et l’ourlet ;
 
Agile et noble, avec sa jambe de statue.
Moi, je buvais, crispé comme un extravagant,
Dans son oeil, ciel livide où germe l’ouragan,
La douceur qui fascine et le plaisir qui tue.
 
Un éclair… puis la nuit ! – Fugitive beauté
Dont le regard m’a fait soudainement renaître,
Ne te verrai-je plus que dans l’éternité ?
 
Ailleurs, bien loin d’ici ! trop tard ! jamais peut-être !
Car j’ignore où tu fuis, tu ne sais où je vais,
Ô toi que j’eusse aimée, ô toi qui le savais !

茨木のり子

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた

わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった

William Blake

In seed time learn, in harvest teach, in winter enjoy.
Drive your cart and your plow over the bones of the dead.
The road of excess leads to the palace of wisdom.
Prudence is a rich ugly old maid courted by Incapacity.
He who desires but acts not, breeds pestilence.
The cut worm forgives the plow.
Dip him in the river who loves water.
A fool sees not the same tree that a wise man sees.
He whose face gives no light, shall never become a star.
Eternity is in love with the productions of time.
The busy bee has no time for sorrow.
The hours of folly are measur’d by the clock, but of wis­dom: no clock can measure.
All wholsom food is caught without a net or a trap.
Bring out number weight & measure in a year of dearth.
No bird soars too high, if he soars with his own wings.
A dead body, revenges not injuries.
The most sublime act is to set another before you.
If the fool would persist in his folly he would become wise.
Folly is the cloke of knavery.
Shame is Prides cloke.

Nancy Wood

Today is a very good day to die.
Every living thing is in harmony with me.
Every voice sings a chorus within me.
All beauty has come to rest in my eyes.
All bad thoughts have departed from me.
Today is a very good day to die.
My land is peaceful around me.
My fields have been turned for the last time.
My house is filled with laughter.
My children have come home.
Yes, today is a very good day to die.

川崎洋

向きあうもの として は 海
これまで 信じなかったもの と 不意に回路がつながる ことが あるやも知れぬ
海 海と 思いつづけることが ぼくにとっての 海 だ
両頬に戸をたてられて 海だけを見ている馬
だが 夢に 海が流れ入る ことは ない たぶん 水面の高さが同じだからだろう
死ぬまぎわ 思い浮かべるものは 非常に 海に近いものに違いない

茨木のり子

車がない
ワープロがない
ビデオデッキがない
ファックスがない
パソコン インターネット 見たこともない
けれど格別支障もない
   そんなに情報集めてどうするの
   そんなに急いで何をするの
   頭はからっぽのまま
すぐに古びるがらくたは
我が山門に入るを許さず
    (山門だって 木戸しかないのに)
はたから見れば嘲笑の時代おくれ
けれど進んで選び取った時代おくれ
         もっともっと遅れたい
電話ひとつだって
おそるべき文明の利器で
ありがたがっているうちに
盗聴も自由とか
便利なものはたいてい不快な副作用をともなう
川のまんなかに小舟を浮かべ
江戸時代のように密談しなければならない日がくるのかも
旧式の黒いダイヤルを
ゆっくり廻していると
相手は出ない
むなしく呼び出し音の鳴るあいだ
ふっと
行ったこともない
シッキムやブータンの子らの
襟足の匂いが風に乗って漂ってくる
どてらのような民族衣装
陽なたくさい枯草の匂い
何が起ころうと生き残れるのはあなたたち
まっとうとも思わずに
まっとうに生きているひとびとよ

Madisen Kuhn

who are you,
really?
 
you are not a name
or a height, or a weight
or a gender
you are not an age
and you are not where you
are from
 
you are your favorite books
and the songs stuck in your head
you are your thoughts
and what you eat for breakfast
on saturday mornings
 
you are a thousand things
but everyone chooses
to see the million things
you are not
 
you are not
where you are from
you are
where you’re going
and i’d like
to go there
too

一休宗純, 富士正晴

森公乗輿
  鸞輿盲女屡春遊
  鬱鬱胸襟好慰愁
  遮莫衆生之軽賤
  愛看森也美風流
 
美しい車にのって 盲女しばしば春遊び
鬱したる気分にはいい 愁いが慰む
どうでもいいよ 人々が下にみるとも
わが愛し看る森よ はんなりしてるよ
美人陰有水仙花香
  楚台応望更応攀
  半夜玉床愁夢顔
  花綻一茎梅樹下
  凌波仙子遶腰間
 
女体視るべし のぼるべし
夜半のベッド 人恋し気な顔がある
花はほころぶ一茎 梅樹の下に
水仙は腰の間をめぐるなり
九月朔森侍者借紙衣村僧禦寒。
瀟洒可愛。作偈言之。

  良霄風月乱心頭
  何奈相思身上秋
  秋霧朝雲独瀟洒
  野僧紙袖也風流
 
 
 
 
ああええなあ むらむらするわ
どないしよう 思い合うてる仲じゃけど
なんとまあ おまえばかりが瀟洒じゃな
わしの紙衣も 見栄えがしたわ

あほらしくてこんな風に反訳するより仕方がない。良霄風月も、
秋霧朝雲も、つまりは森へのほめ言葉にすぎぬ。

Анна Ахматова

После ветра и мороза было
Любо мне погреться у огня.
Там за сердцем я не уследила,
И его украли у меня.
 
Новогодний праздник длится пышно,
Влажны стебли новогодних роз,
А в груди моей уже не слышно
Трепетания стрекоз.
 
Ах! не трудно угадать мне вора,
Я его узнала по глазам.
Только страшно так, что скоро, скоро
Он вернет свою добычу сам.

ανεμώλια, Γιώργος Σαραντάρης

WaveΗ καρδιά μας είναι ένα κύμα που δεν σπάει στην ακρογιαλιά.
Ποιος μαντεύει τη θάλασσα, απ’ όπου βγαίνει η καρδιά μας;
Αλλά είναι η καρδιά μας ένα κύμα μυστικό, χωρίς αφρό.
Βουβά πιάνει μια στεριά.
Και αθόρυβα σκαλίζει το ανάγλυφο ενός πόθου,
που δεν ξέρει απογοήτευση και αγνοεί την ησυχία.
 
Γ. Σαραντάρης

Aniri

NewYear 
 
 
 
 
Пусть в окошко постучится
в полночь добрый Новый год
всем мечтам поможет сбыться
Счастье, радость принесёт!

管啓次郎

水はどこまでめぐるのだろう、水はいつまであるのだろう。そもそも、いつどうして、地球には水ができたのか。なんの答えも知らぬまま、水をたどっていつも歩いている、走っている。流れる水のかたわらで、ぼくの体にも水が流れている。

紫式部, 土佐光吉, 千野香織

「朧月夜に似るものぞなき」と、うち誦じて、こなたざまには来るものか。いとうれしくて、ふと袖をとらへ給ふ。女、「あな、むくつけ。こは誰そ」とのたまへど、「何かうとましき」とて、

深き夜のあはれを知るも入る月のおぼろげならぬ契りとぞ思ふ

hananoen


以上のように見てくると、「花宴」を表す一枚のこの絵は、複数の時点、複数の場面からモチーフを寄せ集め、それらをバランスよく一つの構図のうちにまとめて、創り上げられたものだということがわかるであろう。この絵は、確かに一見すると、二人が恋に落ちる直前の瞬間をあざやかに切り取ってみせたかのような印象を与える。しかし、そのように見えてしまうのは、絵師の創意工夫がまさしく成功しているためであって、一つ一つのモチーフの意味を詳しく検討していくと、この小さな画面のなかに、時間の相が複雑に入り組んでいることが理解されるのである。

Владимир Маяковский

Для веселия
        планета наша
                мало оборудована.
Надо
        вырвать
                радость
                        у грядущих дней.
В этой жизни
                помереть
                        не трудно.
Сделать жизнь
                значительно трудней.

Rainer Maria Rilke

Sein Blick ist von Vorübergehen der Stäbe
so müd geworden, daß er nichts mehr hält.
Ihm ist, als ob es tausend Stäbe gäbe
und hinter tausend Stäben keine Welt.

Der weiche Gang geschmeidig starker Schritte,
der sich im allerkleinsten Kreise dreht,
ist wie ein Tanz von Kraft um eine Mitte,
in der betäubt ein großer Wille steht.

Nur manchmal schiebt der Vorhang der Pupille
sich lautlos auf—. Dann geht ein Bild hinein,
geht durch der Glieder angespannte Stille—
und hört im Herzen auf zu sein.

紅碧

空気のような存在でいたいとあの人は言う
きみがいないと生きていけない
という言葉の代わりに
彼はそんなことをいう

谷川俊太郎

誰にでも自分に必要な言葉ってのがあると思う。でもそれが前もって分かってる訳じゃない。その言葉に接して初めて、ああこういう言葉を自分は欲していたんだと知る。必要な言葉はアタマやココロだけでなく、カラダの奥にまで入ってくる、いわゆる〈腑に落ちる〉んだ。
このごろ、小説の言葉がぼくには不要になりつつある。面白いけどいまこういう言葉は自分に必要じゃないと感じてしまう。年取って人生の基本が腑に落ちてくると、細部がどうでもよくなってくるのかもしれない。詩の言葉はいまだに不要じゃないようだ。これは自分でも書いてるから。

思潮社

20140929-10月号【特集Ⅱ】石牟礼道子を読む
◎シンポジウム
渡辺京二+伊藤比呂美+谷口絹枝+ジェフリー・アングルス
「石牟礼文学の多面性――いま石牟礼道子を読む」
◎『祖さまの草の邑』を読む
井坂洋子、季村敏夫、姜信子、上田眞木子

灯らんとして消ゆる言の葉といえども
いずれ冥途の風の中にて
おのおのひとりゆくときの花あかり

ただ滅亡の世せまるを待つのみか
ここにおいて われらなお
地上にひらく 一輪の花の力を念じて合掌す

石牟礼道子

ああ
このような雪夜じゃれば
ひょっとして
ここらあたりの原っぱの
赤いひがん花の
花あかりのもとで
身づくろいしておった
あの
しろい狐御前の子に
また生まれ替わるのかもしれん

いまはまだ
けやきの大樹の根元にいて
天の梢から降ってくる雪にうたれながら
みえない繊い糸を
くわえ くわえ
うなじを反らしているばかり

手も無か
足も 無か
目も無か
めめんちょろの
野蚕さんになっておって
這うて漂浪くのが
役目で
ございます

足利義政

つらきかな 曽我の河原に かる草の つかのまもなく 思ひみだれて
春来ぬと ふりさけみれば 天の原 あかねさし出づる 光かすめり
置きまよふ 野原の露に みだれあひて 尾花が袖も 萩が花摺り
今日はまた 咲き残りけり 古里の あすか盛りの 秋萩の花
見し花の 色を残して 白妙の 衣うつなり 夕がほのやど
今日はまづ 思ふばかりの 色みせて 心の奧を いひはつくさじ
さやかなる 影はそのよの 形見かは よしただくもれ 袖の上の月
こぎわかれ ゆけばかなしき 志賀の浦や わが古郷に あらぬ都も
わが思ひ 神さぶるまで つつみこし そのかひなくて 老いにけるかな

古今和歌集, 新古今和歌集

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜はの月影
忘れじと いひしばかりの 名残とて その夜の月は めぐり来にけり
思ひ出では 同じ空とは 月を見よ ほどは雲居に めくり逢ふまで
浅みどり 花もひとつに 霞みつる おぼろに見ゆる 春の夜の月
照る月も 雲のよそにぞ ゆきめぐる 花ぞこの世の 光なりける
むかし見し 雲居をめぐる 秋の月 いま幾歳か 袖に宿さむ
いくめぐり 空行く月も へだてきぬ 契りしなかは よその浮雲
花散りし 庭の木の間も 茂りあひて 天照る月の 影ぞまれなる
月を見て 心うかれし いにしへの 秋にもさらに めぐりあひぬる
めぐり逢はむ 限りはいつと 知らねども 月な隔てそ よその浮雲
雲晴れて むなしき空に 澄みながら 憂き世の中を めぐる月かな
思ひきや 別れし秋に めぐり逢ひて またもこの世の 月を見むとは
月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど

寺山修司

さよならだけが人生ならば またくる春はなんだろう

もしも愛がすべてなら、愛しいお金はなんになる

一つのことを信じることは べつのことを裏切るということだ

教育は与えるものではなく 受け取るものである

私は水に書く詩人である 私は水に愛を書く

ふりむくな ふりむくな うしろには夢がない

Rudyard Kipling

Oh, East is East, and West is West, and never the twain shall meet,
Till Earth and Sky stand presently at God’s great Judgment Seat;
But there is neither East nor West, Border, nor Breed, nor Birth,
When two strong men stand face to face, though they come from the ends of the earth!

Angelus Silesius

RoseDie Ros ist ohn warum; sie blühet weil sie blühet, Sie acht nicht ihrer selbst, fragt nicht, ob man sie siehet.
La rosa es sin porqué florece porque florece. No se presta atención a sí misma. No pregunta si alguien la ve.
The Rose is without a ‘wherefor’; she blooms because she blooms. She pays no attention to herself, nor does she ask whether anyone sees her.

橋本愛

大きさの違うおにぎり

あのこにはちっちゃいの
あのこにはおっきいの
あのこにはみじかい海苔
あのこにはながい海苔を
巻いてあげたいな

井上靖

石の階段が水面に向って落ち込んでいた。満潮の時は階段の半分が水に没し、干潮の時は小さい貝殻と藻をつけた最下段が水面に現れた。ある夕方、そこで手を洗っている時、石鹼がふいに手から離れた。石鹼は生きもののように尾鰭を振って水の中を泳ぎ、あっという間に深処に落ち込んでいって姿を消した。
あとには、もうどんなことがあっても再び手の中には戻らぬといった喪失感があった。これは幼時の出来事だが、それ以後、私はこのように完全に物を喪なったことはない。川明りがいかなる明るさとも違って、悲劇の終幕が持つ明るさであることを知ったのもこの時だ。

David Biespiel

Every society we’ve ever known has had poetry, and should the day come that poetry suddenly disappears in the morning, someone, somewhere, will reinvent it by evening.
Since ancient times, as long as we’ve had language, poetry has ritualized human life. It has dramatized and informed us with metaphors and figures of feeling and thought, mysteries and politics, birth and death, and all the occasions we experience between womb and tomb.
Poetic utterance ritualizes how we come to knowledge. In the same way that poems illuminate our individual lives, poems also help us understand ourselves as a culture. Or at least they spur us to ask the questions. Poetic utterance mythologizes our journey of being. Poetic utterance tells and interprets our stories. Poetic utterance shapes our perspective of the mysteries of the present moment and helps us imagine the next one.

Hafez

I caught the happy virus last night
When I was out singing beneath the stars.
It is remarkably contagious –
So kiss me.

野村英夫

白く透けた硝子戸にはフランスの新聞がはつてある。
埃りだらけの戸口にはどれも眞つ黑な
靴とマントと杖が置いてある。
その狭い司祭館の一部屋で
フランス人の老司祭は一人もの思ふのだ。
テーブルの上には古風な毀れた眼覺し時計が
いつも倒れたままで置いてある。
私はいつかそれを起して見たが
それは急に止つてしまつた。
司祭は笑ひながらそれを倒したが
するとそれはまた動き始めた。
こんな狭い一部屋で司祭は眠るのだらうか?
いつか司祭は寂しさうに笑ひながら
子供達にさへ小さ過ぎる
片隅の長椅子の上を指さして見せた。
テーブルの上に置かれた
靑い眞珠母色のマリアの像。
私はそのやうに清らかな
優しくてもの悲しい一部屋を知らなかつた。

三ツ矢雄二

偶然は無い あるのは必然だけ
積み重ねた事実 データは 嘘をつかないよ
まぐれはないさ 全てが計算済み
予測可能なんだ データは 嘘をつかないよ

必要なのは データを 利用する テクニック
大切なのは データを あやつる フィーリング
今の俺は誰にも負けない

完璧なのさ データが 努力と 結びつけば
勝利目前 データが 導く ウィニングショット
今の俺は誰にも負けない
そうデータは嘘をつかない

金子みすず

わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地べたをはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんのうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。

Fukui Hisashi (福井寧)

N’étant pas poète, je l’apprécie surtout comme un écrivain du journal intime, dont la précision et la simplicité sont exceptionnelles dans le paysage de la littérature japonaise. C’est dommage qu’on ne traduise pas ses proses en français.

Kaki柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺
             子規
Kaki kué-ba, kané-ga naru-nari. Hôryûji
             Shiki
 
Croquant un kaki,
      la cloche résonne
            Hôryûji

Wallace Stevens

The meeting at the edge of the field seems like an invention, an embrace between one desperate clod and another in a fantastic consciousness, in a queer assertion of humanity: a theorem proposed between the two – two figures in a nature of the sun, in the sun’s design in its own happiness, as if nothingness contained a metier, a vital assumption, an impermanence in its permanent cold, an illusion so desired that the leaves came and covered the high rock, that the lilacs came and bloomed like a blindness cleansed, exclaiming bright sight, as it was satisfied, in a birth of sight.

Борис Пастернак

Февраль. Достать чернил и плакать!
Писать о феврале навзрыд,
Пока грохочущая слякоть
Весною черною горит.

Достать пролетку. За шесть гривен,
Чрез благовест, чрез клик колес,
Перенестись туда, где ливень
Еще шумней чернил и слез.

Где, как обугленные груши,
С деревьев тысячи грачей
Сорвутся в лужи и обрушат
Сухую грусть на дно очей.

Под ней проталины чернеют,
И ветер криками изрыт,
И чем случайней, тем вернее
Слагаются стихи навзрыд.

梶井基次郎

桜の樹の下には屍体が埋まっている!
これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。
。。。
いったいどんな樹の花でも、いわゆる真っ盛りという状態に達すると、あたりの空気のなかへ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。それは、よく廻った独楽が完全な静止に澄むように、また、音楽の上手な演奏がきまってなにかの幻覚を伴うように、灼熱した生殖の幻覚させる後光のようなものだ。それは人の心を撲たずにはおかない、不思議な、生き生きとした、美しさだ。
。。。
何があんな花弁を作り、何があんな蕊を作っているのか、俺は毛根の吸いあげる水晶のような液が、静かな行列を作って、維管束のなかを夢のようにあがってゆくのが見えるようだ。
。。。
今こそ俺は、あの桜の樹の下で酒宴をひらいている村人たちと同じ権利で、花見の酒が呑めそうな気がする。

清少納言

春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。
冬は、つとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎ熾して、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。

Heinrich Heine

Ein Fichtenbaum steht einsam
Im Norden auf kahler Höh’.
Ihn schläfert; mit weißer Decke
Umhüllen ihn Eis und Schnee.

Er träumt von einer Palme,
Die, fern im Morgenland,
Einsam und schweigend trauert
Auf brennender Felsenwand.

SUBIDIOM

Perfection
You cannot obtain
Impossible perfection
Still, it’s a good goal

Balance
After many years
I’m perfectly in balance
Sometimes inbalanced

Fun
Fun is subjective
Fun to one is not always
Fun to everyone

Bible

How beautiful you are and how pleasing,
my love, with your delights!
Your stature is like that of the palm,
and your breasts like clusters of fruit.
I said, “I will climb the palm tree;
I will take hold of its fruit.”
May your breasts be like clusters of grapes on the vine,
the fragrance of your breath like apples,
and your mouth like the best wine.

井上靖 

洪水のように、
大きく、烈しく、
生きなくてもいい。
清水のように、あの岩蔭の、
人目につかぬ滴りのように、
清らかに、ひそやかに、自ら耀いて、
生きて貰いたい。

さくらの花のように、
万朶を飾らなくてもいい。
梅のように、
あの白い五枚の花弁のように、
香ぐわしく、きびしく、
まなこ見張り、
寒夜、なおひらくがいい。

壮大な天の曲、神の声は、
よし聞けなくとも、
風の音に、
あの木々をゆるがせ、
野をわたり、
村を二つに割るものの音に、
耳を傾けよ。
 
愛する人よ、
夢みなくてもいい。
去年のように、
また来年そうであるように、
この新しき春の陽の中に、
醒めてあれ。
白き石のおもてのように醒めてあれ。

井上靖

匈奴は平原に何百尺かの殆ど信じられぬくらいの深い穴を穿ち、死者をそこに葬り、 一匹の駱駝を殉死せしめて、その血をその墓所の上に注ぐ風習があった。
雑草は忽ちにしてそこを覆い、その墓所の所在を判らなくするが、翌年遺族たちは駱駝を連れて平原をさまよい、 駱駝が己が同族の血を嗅ぎ当てて咆哮するところに祭壇を造って、死者に供養したと言う。
私はこの話が好きだ。この話の故に匈奴という古代の遊牧民族を信用できる気になる。
因みに彼等の考え方に依れば、そのような平原を地殻と言い、そのような平原の果てに沈む太陽を落日と言う。そして またそのような平原に降り積む雪を降雪と言うのである。

加川文一

丘より見ゆる海は青し
夏の畑につくりし
胡瓜のごとき色を
にがく走らせたり

海はひねもす
わが乾ける瞳を刺し

われは此処に住みて
はや四年となりし
わが生活はまづしけれど
まづしさも己のものぞと
一筋にがき海に向かひて
語りきたれる

妻よ
今日も海は光れリ
人の住む陸を抱きて
するどく海は光れり

Rainer Maria Rilke

Wie soll ich meine Seele halten, daß
sie nicht an deine rührt? Wie soll ich sie
hinheben über dich zu andern Dingen?
Ach gerne möcht ich sie bei irgendwas
Verlorenem im Dunkel unterbringen
an einer fremden stillen Stelle, die
nicht weiterschwingt, wenn deine Tiefen schwingen.
Doch alles, was uns anrührt, dich und mich,
nimmt uns zusammen wie ein Bogenstrich,
der aus zwei Saiten eine Stimme zieht.
Auf welches Instrument sind wir gespannt?
Und welcher Spieler hat uns in der Hand?
O süßes Lied!

松尾芭蕉

物言えば唇寒し秋の風
こちら向け我もさびしき秋の暮
この道や行く人なしに秋の暮
旅に病で夢は枯野をかけ廻る

朝顔や昼は錠おろす門の垣
蕣や是も又我が友ならず

月を侘び、身を侘び、つたなきを侘びて、侘ぶと答へむとすれど、問ふ人もなし。なほ侘び侘びて、
侘びて澄め月侘斎が奈良茶歌

吉田嘉七

汝が兄はここを墓とし定むれば
はろばろと離れたる国なれど
妹よ、遠しとは汝は思うまじ。
さらば告げん、この島は海のはて
極まれば燃ゆべき花も無し。
山青くよみの色、海青くよみのいろ。
火を噴けど、しかすがに青褪めし、
ここにして秘められし憤り。
のちの世に掘り出なば、汝は知らん、
あざやかに紅の血のいろを。
妹よ、汝が兄の胸の血のいろを。

藤原定家

花の香はかをるばかりをゆくへとて風よりつらき夕やみの空
大空は梅のにほひにかすみつつくもりもはてぬ春の夜の月
かきくらす簷端の空に数みえてながめもあへずおつるしら雪
消えわびぬうつろふ人の秋の色に身をこがらしの杜の白露
駒とめて袖うちはらふ影もなしさののわたりの雪のゆふぐれ

心敬

心もち肝要にて候
常に飛花落葉を見ても
草木の露をながめても
此世の夢まぼろしの心を思ひとり
ふるまひをやさしくして
幽玄に心をとめよ

氷ばかり艶なるはなし
苅田の原などの朝のうすこほり
古りたる檜皮の軒などのつらら
枯野の草木など
露霜のとぢたる風情
おもしろく艶にも侍らずや

多田富雄

Tadaが、突然思い出したように目を上げ
思いがけないことを言い始めた
そこは死の世界なんかじゃない
生きてそれを見たのだ

死ぬことなんか容易い
生きたままこれを見なければならぬ
よく見ておけ
地獄はここだ
遠いところにあるわけではない
ここなのだ 君だって行けるところなのだ
老人はこういい捨てて呆然として帰っていった

丸山圭子

くもりガラスを伝わる 雨のしずくのように ただひとすじに ただひたむきに
それはばかげたあこがれか 気まぐれな恋だとしても 雨はきっと降り続く
くもりガラスをたたく 雨の音かぞえながら どうぞこのまま どうぞやまないで
さよならは涙とうらはら 冷めたコーヒーのようなもの だからいつまでもこのまま

松本隆

lighthouse夜明けの来ない夜は無いさ
あなたがポツリ言う
燈台の立つ岬で
暗い海を見ていた
悩んだ日もある 哀しみに
くじけそうな時も
あなたがそこにいたから
生きて来られた

Woody Guthrie

Some of us are illegal, and some are not wanted,
Our work contract’s out and we have to move on;
Six hundred miles to that Mexican border,
They chase us like outlaws, like rustlers, like thieves.

We died in your hills, we died in your deserts,
We died in your valleys and died on your plains.
We died ‘neath your trees and we died in your bushes,
Both sides of the river, we died just the same.

島崎藤村

しづかにてらせる
     月のひかりの
などか絶間なく
     ものおもはする
さやけきそのかげ
     こゑはなくとも
みるひとの胸に
     忍び入るなり

なさけは説とくとも
     なさけをしらぬ
うきよのほかにも
     朽くちゆくわがみ
あかさぬおもひと
     この月かげと
いづれか声なき
     いづれかなしき

井上靖

いかにも地殻の表面といったような瓦礫と雑草の焼土一帯に、
粗末なバラックの都邑が急ピッチで造られつつあった。
焼ける前は迷路(ラビリンス)と薬種商の老舗の多い古く静かな城下町だったが、
そんな跡形はいまは微塵も見出せない。
日々打つづく北の暗鬱なる初冬の空の下に、いま生れようとしているものは、
性格などまるでない、古くも新しくもない不思議な町だ。
それにしてもやけに酒場と喫茶店が多い。
オリオン、乙女、インデアン、孔雀、麒麟、獅子、白鳥、カメレオン
――申し合せたように星座の名がつけられてある。
宵の七時ともなると、町全体が早い店じまいだ。
三里ほど向うの日本海の波の音が聞えはじめるのを合図に、
街の貧しい星座たちの灯も消える。
そしてその後から今度はほんものの十一月の星座が、
この時刻から急に澄み渡ってくる夜空一面にかかり、
天体の純粋透明な悲哀感が、次第に沈澱下降しながら、町全体を押しつつむ。
確かに夜だけ、北国のこのバラックの町は、
曾て日本のいかなる都市も持たなかった不思議な表情を持っていた。
いわば、星の植民地とでも言ったような。

芥川龍之介

彼はヴォルテエルの家の窓からいつか高い山を見上げてゐた。氷河の懸つた山の上には禿鷹の影さへ見えなかつた。が、背の低い露西亞人が一人、執拗に山道を登りゞけてゐた。
ヴォルテエルの家も夜になつた後、彼は明るいランプの下にかう云ふ傾向詩を書いたりした。あの山道を登つて行つた露西亞人の姿を思ひ出しながら。

誰よりも十戒を守つた君は
誰よりも十戒を破つた君だ。
誰よりも民衆を愛した君は
誰よりも民衆を輕蔑した君だ。
誰よりも理想に燃え上つた君は
誰よりも現實を知つてゐた君だ。
君は僕等の東洋が生んだ
草花の匀のする電氣機関車だ。

中原中也

海にゐるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にゐるのは、
あれは、浪ばかり。

曇つた北海の空の下、
浪はところどころ歯をむいて、
空を呪つてゐるのです。
いつはてるとも知れない呪。

海にゐるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にゐるのは、
あれは、浪ばかり。

坂口弘

  • 獄吏らの列のあわひに立たされて今より君は死囚と言はる
  • おいそれと牢の届書に我が遺体の引き取り先を記せるものか
  • 試されてありと思はむ交通権剥奪されてつのる苛立ち
  • 前の日に知らせることもなさずしていきなり処刑するは正義か
  • これからは老い深まりし母親を我の処刑に怯えさするか
  • 首に縄をかけらるるその瞬間まで分からぬと思ふ死刑の恐怖
  • ふたたびをリンチの場面書かむとす恩寵なりと奮ひたつべし
  • 溜まるゆゑ掃除をせねばならぬとぞ塵芥に変わらぬ死囚の命
  • 衝撃は一瞬にしてその後は忘れ去らるる刑死者あはれ
  • 春に次ぐ秋の処刑に取るものも取敢えず母は面会に来り
  • 荒れ狂う処刑の嵐に身を曝ししきりと君に逢いたかりけり
  • ありがたし元被告なる呼称にて我を報じて呉るる新聞
  • 吾のことを元連合赤軍と書きてくれたる人に涙す
  • もし人が団扇にあふぎ呉れたらば涙流れむ人屋の吾は
  • 従軍慰安婦にあらず従軍慰安婦にされし人たちと書き給え君ら
  • 月曜日に執行指揮書は届くらし月曜日の朝はこころ重たし
  • 木曜日に髭を剃りつつ執行はもしや明日かといつも思へる
  • 後ろ手に手錠をされて執行をされる屈辱がたまらなく嫌だ
  • 叶ふなら絞首は否む広場での銃殺刑をむしろ願はむ
  • 大臣の椅子を射止めて堪へきれず笑みたる顔に恐怖す吾は

西行

西行法師心なき 身にもあはれは 知られけり しぎたつ沢の 秋の夕暮

願はくは 花のもとにて 春死なむ その如月の 望月のころ

津の国の なにはの春は 夢なれや 蘆の枯葉に 風わたるなり

山里は 秋のすゑにぞ 思ひしる 悲しかりけり 木がらしの風

Jane Hirshfield

Nothing
in the world
is usual today.
This is
IzumiShikibu9the first morning.
*
Come quickly—as soon as
these blossoms open,
they fall.
This world exists
as a sheen of dew on flowers.
*
Even though
these pine trees
keep their original color,
everything green
is different in spring.
*
Seeing you is the thread
that ties me to this life—
If that knot
were cut this moment,
I’d have no regret.
*
Sleeplessly
I watch over
the spring night—
but no amount of guarding
is enough to make it stay.

Houston

Years ago, I fell in love with Izumi Shikibu’s poetry. I am not the kind of guy who falls in love with poets. Most poetry, to me, is like modern art. I’m glad it exists, but I don’t need it in my house.
Shikibu was different from the first five lines I read. I fell for her, completely. She was fast and sexy, delicate and direct at the same time. …and she wrote over a thousand years ago. I still have my first copy of The Ink Dark Moon, from more than 20 years ago, which came before all those others I gave as gifts to anyone I thought would read it.
Even so, I haven’t read her stuff in a long while. I don’t think about obscure Japanese court poetry all that much.
Then, up she pops, completely unexpectedly, in an RSS feed, and she knocks the breath from my chest all over again.

Even if I now saw you
Only once,
I would long for you
Through worlds,
Worlds.

      – Izumi Shikibu (c.974)

和泉式部 (Izumi Shikibu)

IzumiShikibu       Izumi_Shikibu
あらざらむ
このよのほかの
おもひでに
いまひとたびの
あふこともがな
at this last moment
of my life
ardently what I wish
is to see you
to see you once more
よのなかに
こひといふいろは
なけれども
ふかくみにしむ
ものにぞありける
in this world
love has no color
yet how deeply
my body
is stained by yours

宮本浩次

俺が生まれたのは、そう、所謂高度経済成長の真っ只中で、それは日本が敗戦に象徴される黒船以降の欧米に対する鬱屈したコンプレックスを一気に解消すべく、我々の上の世代の人間が神風のように猛然と追い続けた、繁栄という名の、そう繁栄という名の 繁栄という名のテーマであった。嗚呼そして我々が受け継いだのは豊かさとどっちらけだ。あげくがお前、人の良さそうな変な奴がのせられて偉くなっちゃって、それでもそこそこ俺達は生活してんだから訳わかんねえよなあ。おい、化けの皮剥ぎにでかけようぜ。化けの皮を剥がしにでかけようぜ。くだらねえ世の中、くだらねえ俺達。そんなのお前百年前から誰でも言ってるよ。お前変わんねえんだよ、それ、お前縄文時代から変わんねえんだよお前それ、それ縄文時代から現代まで変わってねえんだよお前それは … ただなあ、破壊されんだよ駄目な物は全部。この世の中にはそりゃあ思い通りにならないことは、いくらもあるってことはお前さすがの俺も百も承知だけどなあお前。しかし、俺は折角のロックンロールバンドだ。あいつらの化けの皮を剥がしにいくってことをなあ、さっき、自問自答の末、結論した。

紀貫之

kokinそれ、まくらことば、春の花にほひすくなくして、むなしき名のみ秋の夜のながきをかこてれば、かつは人のみみにおそり、かつはうたの心にはぢおもへど、たなびくくものたちゐ、なくしかのおきふしは、つらゆきらがこの世におなじくむまれて、このことの時にあへるをなむ、よろこびぬる。人まろなくなりにたれど、うたのこと、とどまれるかな。たとひ時うつり、ことさり、たのしび、かなしびゆきかふとも、このうたのもじあるをや。あをやぎのいとたえず、まつのはのちりうせずして、まさきのかづら、ながくつたはり、とりのあと、ひさしくとどまれらば、うたのさまをもしり、ことの心をえたらむ人は、おほぞらの月を見るがごとくに、いにしへをあふぎて、いまをこひざらめかも。

井上靖

M博士の「地球の生成」という書物の頁を開きながら、私は子供に解りよく説明してやる。
――物理学者は地熱から算定して地球の歴史は二千万年から四千万年の間だと断定した。しかるに後年、地質学者は海水の塩分から計算して八千七百万年、水成岩の生成の原理よりして三億三千万年の数字を出した。ところが更に輓近の科学は放射能の学説から、地球上の最古の岩石の年齢を十四億年乃至十六億年であると発表している。原子力時代の今日、地球の年齢の秘密はさらに驚異的数字をもって暴露されるかもしれない。しかるに人間生活の歴史は僅か五千年、日本民族の歴史は三千年に足らず、人生は五十年という。父は生れて四十年、そしておまえは十三年にみたぬと。
――私は突如語るべき言葉を喪失して口を噤んだ。人生への愛情が曾てない純粋無比の清冽さで襲ってきたからだ。

一休禅師

夜もすがら仏のみちをたずぬれば わが心にぞたずね入りぬる

思い入れば人もわが身もよそならず 心のほかに心なければ

心こそ心まどわす心なれ 心に心こころゆるすな

心とはいかなるものをいうやらん 墨絵にかきし松風の音

Jean Tardieu

Elle est partie, elle ! Elle est bien partie.
Elle ne revient pas
Est-ce qu’elle reviendra ? je ne crois pas
Je ne crois pas qu’elle revienne
Toi, tu es là Est-ce que tu es là ?
Quelquefois tu n’es pas là

Omar Khayyam

Into this Universe, and Why not knowing
Nor Whence, like Water willy-nilly flowing;
And out of it, as Wind along the Waste,
I know not Whither, willy-nilly blowing.

And that inverted Bowl we call The Sky,
Whereunder crawling coop’t we live and die,
Lift not thy hands to IT for help—for It
Rolls impotently on as Thou or I.

浅原六朗

てるてる坊主 てる坊主
あした天気に しておくれ
いつかの夢の 空のよに 晴れたら
金の鈴あげよ

てるてる坊主 てる坊主
あした天気に しておくれ
私の願いを 聞いたなら
あまいお酒を たんと飲ましょ

てるてる坊主 てる坊主
あした天気に しておくれ
それでも曇って 泣いてたら
そなたの首を チョンと切るぞ

Mark Strand

Even this late it happens:
the coming of love, the coming of light.
You wake and the candles are lit as if by themselves,
stars gather, dreams pour into your pillows,
sending up warm bouquets of air.
Even this late the bones of the body shine
and tomorrow’s dust flares into breath.

Mark Strand

In a field
I am the absence
of field.
This is
always the case.
Wherever I am
I am what is missing.

When I walk
I part the air
and always
the air moves in
to fill the spaces
where my body’s been.

We all have reasons
for moving.
I move
to keep things whole.

John Doe

Do you have a deep ineffable feeling of tenderly caring for another person, un profond sentiment de tendresse ineffable de soins pour une autre personne, 深无法形容的感觉,温柔地照顾他人,un profondo sentimento di tenerezza ineffabile prendersi cura di un’altra persona, глубокое чувство несказанного ласково уходу за другое лицо, or ある人への深い思いやりと例えようのない優しい気持ちを持っていますか?