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厚生労働省の発表によると、2010年度医療費総額は36兆6000億円で、前年度より1兆4000億円増加。また70歳以上の高齢者の医療費は16兆2000億円。
日本では保険診療の場合は健康保険から費用が出され、2007年4月現在、原則、3-69歳の患者は医療費の3割、0-2歳の小児は2割(自治体で別途公費補助あり)、70歳以上の高齢者は1割(所得によっては3割)を窓口で支払う仕組みとなっている。なお、美容整形・歯科矯正など保険対象外の自由診療(保険外診療)の場合は全額患者負担となる。
診療報酬の引き下げが続く中、医療機関の経営改善(政策的には医療費抑制)を目的に特定機能病院や一部の民間病院では、既存の出来高払い方式から診断群分類包括評価(DPC)方式を採用している。
2006年からは保険医療機関等から受け取る医療費の内容の分かる領収証には医療内容区分毎の点数が記載され会計窓口で支払う負担金の計算根拠が表示されている。
人口の急速な高齢化に伴い、老人医療費の増加が問題になり、健康保険制度の見直しが長年議論されているが、政局の影響や各種団体(医師会、保険者、企業、労働組合など)の利害が衝突し、抜本的な改革はなかなか進まない状況にある。

One thought on “ウィキペディア

  1. shinichi Post author

    薬局調剤医療費を除き、治療に直接かかわる医療費はそれほど増えていないという指摘がある。

    外保連は最近数年間を見る限り、医療費増加のカーブは平坦化しており、老人医療費も増えていないと主張している。

    逆に日本の医療費は国民所得をかなり上回るペースで伸びており、特に老人医療費の伸びが著しいと言う指摘がある。 平成9-15年の期間、医療費総額の伸びは8.9%老人医療費の伸びは13.6%期間中国民所得は-7.0%であった。(因みに平成9-15年と限った訳は、同期間中9年に医療費の本人負担額の2割化、12年に介護保険制度の施行と老人負担額1割化、15年に本人負担額の3割化といった個人負担の強化による総医療費の抑制がかかった期間であるためである)また平成12年4月から介護保険制度が施行されたことに伴い、従来国民医療費の対象となっていた費用のうち介護保険の費用に移行したものがあるが、これらは平成12年度以降、国民医療費に含まれ無くなっている(ここ数年間国民医療費が見かけ上増えないか減っている様に見えた要因)。

    なお、65歳以上老人医療費は総額で平成17年度16.8兆円と総額の過半数(51.0%)を占めている(平成14年15.2兆円/49.2%、15年15.9兆円/50.4%、16年16.4兆円/51.1%)。
    上記両論については外保連HPでの図4 老人医療費11.7兆円/平成15年度と、その元データであるはずの平成15年度国民医療費の概況/厚生労働省・表5 年齢階級別国民医療費における65歳以上老人医療費15.9兆円/平成15年度の違いからも食い違っており、同じ論拠とするのが難しい。

    つまり元データである厚生労働省発表で見ると、医療費全体が国民所得に占める割合が平成に入った頃の6%から、個人負担の強化による総医療費の抑制と医療機関の存立に係わるほどの厳しい医療費削減政策、診療報酬の度重なる引き下げ(平成14年は-2.7%。平成16年は-1.0%。平成18年度は-3.16%)を経てすら9%(平成17年)に達している事と、それをふまえた日本医師会/厚生労働省「平成17年度国民医療費」について。 でみると平成14年、16年度診療報酬改定によって一人当たり70歳以上老人医療費では逆に-0.21%マイナスになっている事にそれぞれ触れていない為であろう(総額は70歳以上老人医療費でも11.9-12.4-13.0-13.6兆円/14-15-16-17年と増額している)。

    高齢者ほど医療費がかかる現実(医療費問題)を前にして、人口のボリュームゾーンである団塊世代が、今まさに65歳以上の老人医療費扱い(自己負担率が3割から1割になる)と言う時期に、公費(国、自治体)と個人負担に対して、費用(医療機関)の、バランスと負担分担が問われる事が問題の本質であろう(その答えが医療崩壊、赤字病院の増加と廃院として受益者である国民に押し寄せ医療抑制に繋がっている傾向が上記資料から見て取れる)。

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    医療費増加というとき医療費総額を指すのかと個々の疾病で必要となる医療費を指すのか分けて考える必要がある。医療費増加の要因として人口の高齢化医療技術の進歩・普及などの議論が多いが、医療需要の誘発喚起、投資回収、医療費抑制対策など医療サービス提供側の要因も無視できない。
    医療費増加を制御するために出来高払いでは診療報酬点数引き下げ、検体検査での「まるめ」などの方法が用いられてきたが、入院医療費については2003年から疾病群で決める方法(DPC)も導入されている。出来高払いでは医療費の診療報酬点数が引き下げられると患者数を増やして点数総額維持の努力がなされ、結果的に薄利多売となる可能性がある。また薬価が引き下げられてもより高価で優れた新薬が発売されるので、薬価引き下げが医療費抑制になるとは限らない。
    現在の医療機能が疾病の診断治療が医療サービスの主となっており、疾病自体を減らそうとするサービスは従とならざるをえなかった。健康維持・健康増進や疾病予防を充実することは医療費抑制に即効力はない。しかしがん検診率を向上して進行癌にならないうちに癌を見つけて切除することや健診でメタボリックシンドローム予備群を発見して合併症を予防することなどを医療サービスとして評価することは、結果的に医療費増加抑制に効果があると期待される。

    医師は医師法により、一定の要件が満たされなければ診療を拒むことは出来ないが、患者は医療費の支払いを先延ばしにすることがある。患者による医療費の支払いの先延ばしは、医療機関の経営の圧迫をもたらすことがある。

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