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秋田真志弁護士は昨年、大阪地裁で開かれた傷害致死事件の裁判員裁判で弁護を担当。証人尋問などの公判後に毎回、DVD の提供を受けた。裁判所提供の専用ソフトを入れたパソコンで DVD を再生すると、音声だけでなく、画面に法廷での発言者やその内容が文字化されて流れる。単語検索機能もあるが、即座に探し出すことが難しい。その理由は、音声から文字への相次ぐ誤変換。この事件では「供述の信用性」が「共同信用性」、「何すんねん」が「何数年」、「豚まん持って」が「ブタ守って」と表示され、検索に苦労した。
最高裁は「裁判員裁判は、法廷での記憶や印象に基づく審理が原則。調書を後で読み返すのは趣旨に合わない」と説明。DVD を渡すのは「音声での確認がメーン。文字は2次的なもの」という認識だ。
だが秋田弁護士は「供述の整合性が争われたとき、DVD が十分な担保となるのか」と疑問を呈する。
最高裁は「録音方式への移行は時代の流れ」と速記官の活用に応じる姿勢を見せていない。

2 thoughts on “MSN 産経ニュース

  1. shinichi Post author

    「何すんねん」が「何数年」に-。 裁判の記録方法の録音化で“トンデモ誤変換”頻発 弁護士会は「速記官活用を」

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    http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140331/waf14033111390004-n1.htm

     「何すんねん」が「何数年」? 全国の裁判員裁判で、証人尋問や被告人質問の記録方法が速記から録音に移行する中、裁判所が用意した音声文字化ソフトの“トンデモ誤変換”に弁護人らが頭を悩ませている。音声DVDが裁判所から即日提供されるが、相次ぐ誤変換で連日続く公判の準備にも支障をきたしているのだ。近畿2府4県の各弁護士会は、あえてデジタル時代の趨勢(すうせい)に逆行し、アナログな裁判所速記官の立ち会いを求める声明を出した。

    ■検索にイライラ

     大阪弁護士会で主に刑事裁判を手掛ける秋田真志弁護士は昨年、大阪地裁で開かれた傷害致死事件の裁判員裁判で弁護を担当。証人尋問などの公判後に毎回、DVDの提供を受けた。

     秋田弁護士によると、裁判所提供の専用ソフトを入れたパソコンでDVDを再生すると、音声だけでなく、画面に法廷での発言者やその内容が文字化されて流れる仕組みだ。単語検索機能もあるが、即座に探し出すことが難しいという。

     その理由は、音声から文字への相次ぐ誤変換。この事件では「供述の信用性」が「共同信用性」、「何すんねん」が「何数年」、「豚まん持って」が「ブタ守って」と表示され、検索に苦労した。

     秋田弁護士は訴える。

     「検察側の立証に反論する意見書を書いたり、反対尋問を用意したりするとき、DVDの内容を引用したくても検索に時間がかかりイライラする。速記官が立ち会う一般の刑事裁判の弁護と比べ、3~4倍の負担がかかる」

    ■記憶・印象が大切

    Sankei1 もともと法廷では、裁判官の前方に座る速記官がタイプライターで打ち込んだ内容を素早く調書にまとめてきた。しかし、最高裁は平成10年度から、「人材確保が難しい」などとして速記官の育成をやめ、録音内容を業者に調書化させる方式を導入した。

     速記官は現在でも裁判員裁判や一般の刑事、民事裁判で、裁判官から立ち会いを要請されることはある。ただ、元速記官や弁護士らでつくる「裁判所速記官制度を守る会」によると、裁判員裁判では少数例にすぎず、業者による調書も配布されないという。

     最高裁の担当者は「裁判員裁判は、法廷での記憶や印象に基づく審理が原則。調書を後で読み返すのは趣旨に合わない」と説明。DVDを渡すのは「音声での確認がメーン。文字は2次的なもの」という認識だ。

     だが秋田弁護士は「供述の整合性が争われたとき、DVDが十分な担保となるのか」と疑問を呈する。

    ■即日調書化可能に

     「証人尋問などの結果を正確に記録し、すぐに確認できるよう態勢を整えることは、裁判員裁判の適正さ確保のために必要不可欠。速記官を活用すべきだ」

     京都弁護士会は2月、会長声明でこう強調した。21年の裁判員制度導入後、近畿の各弁護士会からは同様の訴えが相次ぐ。

     速記官もかつては調書作成に日数を要したが、速記符号を文字に即時変換するパソコンのプログラムを速記官OBが開発。即日の調書化が可能になった。

     元速記官で裁判所速記官制度を守る会大阪支部の石渡照代事務局次長は「速記官は聞き取りにくいときは再発言してもらうなど、正確で迅速な記録に努めている。録音再現ではかなわない話」と指摘する。

     一般の刑事裁判や民事訴訟でも業者による調書を活用するケースが増加している。しかし、業者は専門知識に精通しておらず法廷に同席していないため、音声を正確に文字変換できない弊害も指摘されている。

     これに対し最高裁は「録音方式への移行は時代の流れ」と速記官の活用に応じる姿勢を見せていない。

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  2. shinichi Post author

    (sk)

    予算の制約もあり、コンピュータ化を進める裁判所。裁判の近代化、透明化に邁進する。

    それに対し、人件費がどれだけかかるかという認識がなく、時代の変化に抵抗し、昔は良かった式の思考方法で、10年前、20年前に戻ろうとする弁護士たち。

    その弁護士たちの肩を持ち、記事を書くジャーナリスト。

    それでも、時代の流れは、誰にも止められない。弁護士たちの言い分がどんなに正しくても、変化を止める事はできない。

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