先日、まとめて「マトリックス」シリーズを見た。
コンピュータに支配された未来の世界で、ほとんどの人間が現実だと思っている世界は全てコンピュータが見せている仮想現実であるとする「マトリックス」の世界観は、ボードリヤールの『シミュラークルとシミュレーション』にヒントを得ているらしい(監督のウォシャウスキー・ブラザーズがボードリヤールのファンだということだ)。
シミュラークルとは、簡単に言えば、オリジナルの存在しないコピーのこと。現代社会では、記号がその意味するものとされるものの照合関係から解き放たれ、シミュラークルと化している。そして、シミュラークルに支配された世界が、リアルを超えたハイパーリアルなシミュレーションの世界である。
ジャン・ボードリヤール『シミュラークルとシミュレーション』
by 平野智紀 (tomokihirano.com)
http://www.tomokihirano.com/blog/2009/06/simulacre-and-simulation.html