香山リカ

会見での安倍首相は、問題を単純化して説明しているように見えた。「攻撃を受け、逃げているおじいさん、おばあさんを救えない」といった例えで心情に訴える。「目の前で倒れている人を救わないのか」と、国民1人1人の善意に訴える巧妙なレトリックだ。さまざまな思惑で踏み切ったことを説明しないで、全てを善意に置き換えて納得させようとする姿勢に欺瞞を感じる。集団的自衛権の行使は、そのような生活感覚で語られる問題とは次元が違う。

4 thoughts on “香山リカ

  1. shinichi Post author

    安倍総理のレトリックに、単細胞日本人がやられている。

    http://ameblo.jp/karakara3761korokoro/entry-11802548399.html

    安倍総理のレトリックはなかなかのものだ。

    日本周辺には、アメリカのイージス艦がいます。そのイージス艦が攻撃された時、日本が何も出来なくていいですか?

    日本が助けるのが当然でしょう。だから、お互い助け合う集団的自衛権の行使ができるようにしなければならないのです。

    日本周辺にアメリカのイージス艦がいるのは、日本のためではない。アメリカのためにいるのだ。中国や、北朝鮮や、ロシアからアメリカを守るためにいる。イージス艦を攻撃するものがあるとすれば、それは日本への攻撃ではない。アメリカへの攻撃なのだ。

    アメリカもさまざまなレトリックを用いる。

    日本を守るために日本に基地を置いている。

    これもなかなかのレトリックだ。

    ______________________________

    (sk)

    安倍首相のレトリックも、アメリカのレトリックも、みんな簡単に騙されるのだから、なかなか素晴らしいレトリックというしかない。

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  2. shinichi Post author

    安倍首相のレトリックとスピーチ

    http://www.tokyo-sports.co.jp/blogwriter-watanabe/14203/

     安倍晋三首相が訴える「責任野党」について、某紙に「形容矛盾の見本のような言葉遣いである」との大学教授の批判が載っていた。定義上、統治の責任を負えない野党が政府与党に反対することを、国政停滞の原因のごとく責任を問うのは筋違いということだ。
     だが、みんなの党の渡辺喜美代表らがさっそく好意的に言及したように、この言葉はある種の“魔力”を秘めている。「責任」という誰も反対できない語句を突きつけられると、反論する側は「無責任」のレッテルを貼られることにもなりかねない。これもやはり最近口にするようになった「積極的平和主義」も同じで、「積極的」に「平和」という、これまた“前向き”な言葉のダブルで、集団的自衛権の行使につながるとして反対する勢力を抑えにかかる。こうしたレトリックはおそらく、首相官邸側のイメージ戦略の一環だろう。
     古くは小泉政権時代にその打破が強調された「既得権益」もしかり。それ以前には、いまや当事者からも「失敗」の声が聞かれる衆院の小選挙区比例代表並立制の選挙制度改革も、誰もが反対できない「政治改革」の旗印の下、反対者は「守旧派」とレッテル貼りされて押し切られた。
     そうした経緯を踏まえると、「責任野党」「積極的平和主義」も、手法としては安倍オリジナルではないのだが、演説やスピーチをみても工夫が凝らされているのが第2次安倍政権の特徴だ。
     ソチ五輪の日本選手団壮行会でのあいさつも巧みだった。3分程度の短い中にエピソードを2つも盛り込んだ。札幌五輪では憧れだった銀盤の妖精ジャネット・リンにファンレターを送ったら返事がきたこと。若手国会議員だった長野五輪当時は持病の悪化で入院生活をすごし、日本選手の活躍を見て「もう1回、頑張ろう」と元気づけられたこと。新聞記者が喜びそうなネタが満載の上、選手団最年少がスノーボード男子・平野歩夢の15歳と、さりげなく「知識」も披露。それどころか、昔の五輪中継に触れて「公平を旨とするNHKのアナウンサーが」といったくだりは、自民党などから「偏向報道」批判が絶えないNHKをチクリと刺した感さえあった。
     安倍首相のスピーチライターが優秀なことはかねて報じられており、先日のダボス会議では規制緩和の「岩盤規制」に触れて、自分が「ドリル」になって岩盤に穴を開ける役目を果たすと宣言したことも話題になった。もっとも、ソチ五輪壮行会のようなスピーチには「また自分のことをしゃべってる」とうんざり感を漏らした取材者もいたが。
     その“自分語り”は、2020年五輪の開催都市に東京が決まった昨年の国際オリンピック委員会総会でのプレゼンテーションではもっと時代がかっていた。
     首相官邸ホームページでプレゼン発言を振り返ると、大学でアーチェリーを始めたのは、前年のミュンヘン五輪に同競技が復活したことがきっかけだったとして、「私のオリンピックへの愛たるや、そのとき、すでに確固たるものだった」。1964年の東京五輪についても「開会式の情景が、まざまざと蘇ります。何もかも、わずか10歳だった私の、目を見張らせるものでした」。歴史に残るイベントに違いないが、10歳時に見たものが四十数年後にまざまざと蘇る、その記憶力はすごい。
     かくして安倍スピーチは具体的で、たとえ話もキャッチー。野党も対抗する言葉を持たないと、支持者は増えない。

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  3. shinichi Post author

    (sk)

    安倍首相は、さまざまなレトリックを使う。おかげで支持率も高い。

    ものごとを単純化し、すり替え、本質を隠す。

    騙されるほうが悪いのだが、そのレトリックをそのまま伝え、なんのコメントもしないメディアが一番悪い。

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