川上和久

太平洋戦争の時の日本の大本営発表なんかがそうです。ナチスもメディアを統制して情報を巧みに操作した一番の例と言えます。またアメリカもパナマやグレナダに侵攻した時は、徹底的にメディアをコントロールしたことで、ある程度侵攻を正当化するイメージを作り出すことに成功しました。湾岸戦争にもこういった姿勢が継続されたのです。
政治権力と情報操作はほぼ一体のものといえるでしょう。
歴史的に見ても、たとえ現代のようなマスメディアはなくとも、情報は常に操作されていました。
例えば、古代ローマ帝国によって張り巡らされた道路網は、人や物の流通と同時に、情報を伝達するための生命線ともいえるものでした。その一方で統治システムそのものでもあったのです。ローマの統治に必要な情報は、公務連絡として直ちに各地に伝えられましたし、各地域の状況は迅速に収集され、反乱などの予兆があれば直ちに対処できるようにしていました。逆に属州が結集して反乱を起こしたりしないように、極力「ヨコ」の連絡網は設けないようにしていました。このように、この道路網はローマと各地を結ぶ「タテ」のシステムとして機能し、支配の固定化、さらにはその延長線上にある危機管理にも活用されたのです。これも広い意味での情報操作といえるでしょう。

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