埼玉新聞

航空自衛隊入間基地のそばにある所沢市立狭山ケ丘中学校の防音対策工事を兼ねたエアコン設置工事について、藤本正人市長が「必要ない」として新年度予算に計上せず、防衛省の防音工事補助金を辞退していたことが、21日までに分かった。昨年末から市議会で問題として取り上げられてきたほか、地元中学校の父母や後援会も「納得がいかない」と説明を求めている。
工事は市の防音学校施設計画に基づき、同中の防音とエアコン設置を2010年度と12年度の2カ年で、総事業費は1億4242万円で実施する予定だった。しかし藤本市長は、昨年12月の市議会定例議会の一般質問で、平井明美市議(共産)に「扇風機で十分。子どもたちにエアコンは必要ない」と答弁した。

One thought on “埼玉新聞

  1. shinichi Post author

     防衛省は05年、今後の防音対策は夏季のエアコン設置工事を実施すると変更。所沢市も06年から、防音校舎には除湿工事を進め、同中も設計予算はすでに議決されて完了している。

     藤本市長は開会中の3月定例議会でも、福原浩昭市議(公明)の質問に「暑いからエアコンを単純に与えるのではなく、子どもに厳しい環境で努力してもらうことも必要」と答弁。熟慮の末、予算を計上しないことを決断したという。

     市議会教育福祉常任委員会もこの問題を取り上げた。平井市議は「狭山ケ丘中の除湿工事は『暑さ対策』だけではなく、航空機騒音を防ぐ二重窓のため、暑くても窓を開けられない校舎という防音対策の一環」とエアコンの必要性を主張。「教育行政の継続性を求める決議」を求めたが、市長与党会派の反対があり、全会一致のため流れる公算が大きい。

     しかし校長会や狭山ケ丘中PTA、後援会などが校舎のエアコン設置工事を求める要望書が提出されており、藤本市長もこれを無視できず、近く地元説明会を開く模様だ。

     市議からは「防衛省の補助金を返上するのは前代未聞。今後、5~6年は補助金が付かなくなるのではないか」と危惧の声も出ている。

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