便利すぎる社会は選択肢を奪うのかもしれませんね。最近若くて優秀なミュージシャンと演奏する機会があったんですが、彼はいつもパソコンで音楽を作っていたので、生まれて初めて、ほかの人間と音を出したというのです。びっくりしました。自分の頭のなかにある音楽を表現してきて、ほかの人間とやる必要性を感じないらしい。僕のほうから声をかけて共演したんだけれど、僕の音を聴いていない。二人ならではの音楽をやろうとしていないんです。僕がいてもいなくても同じ。そういうミュージシャンが多くなっているのでは、と嘆いています。
特別対談 倉本聰×坂本龍一 北の大地からの警告 五つの「喪失」
婦人画報2014年4月号
NO1329
http://www.hearst.co.jp/brands/fujingaho/issue/no1329
(sk)
引退したはずなのに、昔ちょっと話題になったドラマを作ったからといっていまだに偉そうなことを言っている老人が、どんな老害を撒き散らしても、まったくといっていいほど気にならない。
でも同じ年の人が、それも若いときにはあれだけ輝いていた人が、自分では気付かずに老人と一緒になって老害を振り撒いているのを見るのは、とてもつらい。