芳澤勝弘

Yoshizawa画賛というのは、水墨画が描いてあって、上に漢字で詩文なんかが書かれたものだ。重要文化財とか国宝とか、素晴らしい画賛がたくさん残されているのに、これまでは美術史の人たちが扱ってきたから、絵の部分ばかりが注目されて、上に書いてある賛(詩文)はややもすると無視されてきた。 。。。 画と賛の両方を理解して初めて作品の意味がわかる。この研究を、美術史の人たちと共同してチームでやろうと思っている。 。。。 こういう文化にも禅が深く関わっているんであって、とおりいっぺんの美術として扱っては困るんだ、ということを発信していくつもりだ。
白隠が60代後半で出した漢文の語録『荊叢毒蘂』全9巻は、白隠の代表作。この作品を、原文、現代語訳、注もつけて出版したいと思っている。 。。。 ただ、わしは自ら世間に大見得切ってアピールするのは好きじゃないんだ。白隠にしても、わしは白隠の解凍者であり、通訳者であるにすぎない。白隠に著作権はないんだから、宗教家である坊さんたちが読んで、気に入ったら、白隠になりきって衆生に説いてもらいたい。それが坊さんの仕事だ。門前の小僧であるわしが先にたってしまってはいかんでしょう。 。。。 この期に及んでしまうと、もう誰が表に出るとかはどうでもよくて、大きなチームワークでやっていけばいいんだと思っているよ。大乗仏教というのは、自分一人ではなく、大きな船にみんなで乗るということなんだから。

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