久保亨, 瀬畑源

情報公開と知る権利の重要性を認識した多くの人々が、政治的な立場の違いを越え、三〇年以上の歳月をかけ、秘密保持と情報公開とのバランスにも注意を払い、ようやくまとめ上げた仕組みが、情報公開法と公文書管理法にほかなりません。情報公開の後進国であった日本は、これでようやく世界に恥ずかしくない体制を築くスタートラインに立ったはずでした。
それに対し、その努力と知恵をまったく無視したところに存在するのが特定機密保護法です。一日も早く特定機密保護法を撤廃するとともに、情報公開の徹底と公文書管理制度の確立、そして公文書館の拡充整備を実現することこそが、国民主導を保障していく道です。

One thought on “久保亨, 瀬畑源

  1. shinichi Post author

    国家と秘密 隠される公文書

    by 久保亨, 瀬畑源

    国民の「知る権利」を軽んじ、秘密が横行する権力は必ず暴走する―。第二次世界大戦敗戦直後の軍部による戦争責任資料の焼却指令から福島第一原発事故にいたるまで変わらない、情報を隠し続けて責任を曖昧にする国家の論理。この「無責任の体系」を可能にするものは何か?本書はその原因が情報公開と公文書の管理体制の不備にあることをわかりやすく説明する。そして、世界の情報公開の流れに完全に逆行した形で、二〇一三年末に可決された特定秘密保護法の問題点と今後を展望する。行政の責任を明確にし、歴史の真相を明らかにするための一冊。

    序章 もともと秘密だらけの公文書――情報公開の後進国日本 久保亨
    第一章 捨てられる公文書――日本の公文書管理の歴史 瀬畑源
    第二章 情報公開法と公文書管理法の制定 瀬畑源
    第三章 現代日本の公文書管理の実態と問題点 瀬畑源
    第四章 公文書館の国際比較 久保亨
    第五章 特定秘密保護法と公文書管理 瀬畑源
    あとがき 公文書と共に消されていく行政の責任と歴史の真相 久保亨/瀬畑源

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