鈴木邦男

私はどちらかというと、国家という大きなものよりも、街とか個人とか、なるべく小さな単位でものを考えようとしている人間なんですが、昭和三〇年代って、わりと小さなものが大事にされていた時代じゃないかなっていう気がする。駄菓子やとか紙芝居に象徴されるように、小さいものが大事にされていた。国という単位でものを考えると、「悠久の大義」だとか、大きな歴史というものが出てくる。でも個人単位、街単位で考えると、記憶なんですね。私は歴史より記憶を大事にしたいのです。

One thought on “鈴木邦男

  1. shinichi Post author

    本と映画と「70年」を語ろう

    by 川本 三郎 and 鈴木 邦男

    鈴木: たしかに、トイレもそうだし、クーラーもなかったし、とてもじゃないけど住めない。でもなんか懐かしいな、あの頃はよかったなって思っちゃう。何なんでしょうね。あと子ども部屋ってなかったですよね。みんなが同じところで生活してた。

    川本: 私はどちらかというと、国家という大きなものよりも、街とか個人とか、なるべく小さな単位でものを考えようとしている人間なんですが、昭和三〇年代って、わりと小さなものが大事にされていた時代じゃないかなっていう気がする。駄菓子やとか紙芝居に象徴されるように、小さいものが大事にされていた。国という単位でものを考えると、「悠久の大義」だとか、大きな歴史というものが出てくる。でも個人単位、街単位で考えると、記憶なんですね。私は歴史より記憶を大事にしたいのです。

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