岩波書店

「々」は,漢字ではありません.漢字ではありませんから,それ自体に読み(音や訓)はありません.これは,同じ漢字を繰り返すときに使う「符号」です.ことばの通(半可通)は,「同の字点(どうのじてん)」,また,形を分解して見立てた「ノマ点」などと言っています.
同の字点のルーツ   「同」の異体字「仝」がもとになっていると言われています.また,中国で同じ役割で使っていた符号が変化したという説もあります.
同の字点の仲間   同の字点は同じ漢字を繰り返す時のものですが,同じかなを繰り返す時に使う「一の字点」(ゝ),「とてもとても」など2字以上を繰り返す時に使う,かなの「く」を長くしたような「くの字点」なども同じ仲間です.
仲間の総称   これらの符号は,繰り返し符号,反復符,踊り字,畳字,かさね字などいろいろに呼ばれていますが,広辞苑では「踊り字」という項目に説明があります.
同の字点以外の踊り字をあまり見ないわけ   同の字点以外の踊り字は,今では手書きの文章ぐらいでしか目にしなくなっています.これは,同の字点以外はできるだけ使わないほうが望ましい,という文章表記法の基準が1950年に文部省から出ているためです.
同の字点をパソコンで打ち込むには   いろいろなやりかたがあります.一番原始的なやり方は,「佐々木」と入れて「佐」「木」を消す方法.また,記号一覧や文字一覧にはかならずあります.変換で呼び出す場合は,パソコンによって異なるのでいろいろ試してみてください.たとえば,「おなじ」「どう(同)」「ノマ」など.

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