吉田たかよし

東京スカイツリーが開業。初日は雨にもかかわらず、22万人が来場した。テレビも、スカイツリーばっかり。それでも見てしまう。
実はいま、人間が風景や人の顔を好きになっていくとき、脳の中でどのようなことが起こっているのか、少しずつ明らかになっている。スカイツリーのように今まで見たこともない風景を目にすると、脳は見るたびに好きになっていく性質が見つかった。
カリフォルニア工科大学の研究で明らかになったのだが、人間の脳は、新しい風景はすぐに飽きてしまうという性質がある。ところが、人間の顔については、脳はぜんぜん飽きない。それどころか、見れば見るほど、さらにその人のことが好きになっていく。脳の中では、人の顔と風景では、まったく違う性質が働いていることがわかってきた。しかもそれは、人間が生き残ってくるのにとても役立った性質だった。
人の顔については、見れば見るほど好きになる、飽きが来ないというのは、集団で仲良く暮らすのに役立った。もともと人類は、小人数の集団で暮らしていた。毎日、同じ顔を見ても、飽きずに、どんどん好きになることが、争いを避けるのに好都合だった。
一方、風景については、求められる条件がまったく違う。安全な場所に定住するには、ある程度は、同じ風景を好きにならないといけない。しかし、ずっと一箇所にとどまっているだけだと、繁栄できないので、適度に新しい場所に関心を持たないといけない。そのためには、風景について、適度に飽きることが必要。だから、人の顔は飽きないのに、風景については飽きるようになった。なんとも合理的な仕組みだ。

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