西濵徹

Nishihama(何がイノベーションを生む構造転換を阻んでいる?)
やはりイノベーションで重要なのは、情報の行き来であったり、物、金、人の行き来、これが非常に重要なんですが、やはり情報に関していうと、非常に統制されているということもありますし、人、金ということでいくと、これもなかなか自由に行き来ができないという状態になっている。
やはりこの問題をクリアにするということ。
もう1つ、やはり経済の中に占める国有企業、これがやはり、かなり真ん中にのさばっているというか、どーんとおもしになってる状態がありますね。
やはりこの改革を通じて、ちゃんと国有企業でもやはり民営化するだとか、いろいろな息吹が芽生えるような形でなっていかないと、ある種、やはり新たな形でイノベーションが生まれていくような段階にはなっていきにくいんではないかというふうに考えています。

1 thought on “西濵徹

  1. shinichi Post author

    中国経済 減速どこまで~”世界同時株安”の衝撃~

    クローズアップ現代

    NHK

    http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3697.html


    ゲスト 西濵徹さん(第一生命経済研究所主席エコノミスト)

    中国経済“減速” 同時株安の衝撃

    ● 世界からは中国の経済成長が減速しているのではというまなざしが注がれているが?

    やはり中国、これまでは輸出にかなり依存してきた経済成長だったと。
    プラスここ数年は、リーマンショックのあと世界金融危機がありましたけど、そこから立ち上がる段階でも、投資がかなり主導するような役割だった。
    やはり輸出と投資によって、ある種、水ぶくれするような状態で経済成長を実現したというような形ではあったんですが、どうもこれがこのまま進むわけはないよねと。
    ある種、やはりきちんと自分たちの形、それは先ほどVTRの中でもありましたけど、“新常態=ニューノーマル”、新たな形に転換を図らなければいけないということで、ある種、景気にブレーキをかけているという側面はあるんだと思うんですが、ただ、どうも足元では思った以上にブレーキがかかってしまっているというようなところがあるのではないか。

    それは実際の数字を見ても実は表れておりまして、景気、当然、成長率というのは一番重要視されるんですが、それ以外に実は中国の経済指標を見るにあたって、やはり電力というのは経済活動全般に一番影響を与えるということ。
    もう1つ、やはり生産をするためには、ものを作るためには当然、輸送しなければいけないんだよと。
    この鉄道貨物輸送量と電力消費量、これの伸びがどうなっているのかというのが1つ大きな要素になってきてるんですが、どうも足元、勢いがないですねと。
    (これは前年比?)
    前年比の伸びを、傾向をはかっているというような形ではあるんですけれども、今年、年前半の成長率は7%ですというふうに中国政府は統計を発表していますが、どうもそこに行き着いていないんじゃないですかと。
    市場の中ではかなり悪いというふうな見方もありますが、そこは非常に幅が広いんですが、私自身もどうも7%成長だといっているこの政府の見立てというのは、相当無理があるんではないのかなという形で現状を見ているというところです。

    ● 世界の市場関係者の疑心暗鬼を増幅させたのが、中国政府が取った株価対策だともいわれているが?

    そうですね。
    習近平政権、昨年(2014年)から今年にかけて、市場メカニズムに任せますということを結構大上段にいってきたというところがあるんですが、上場されてる企業の8割が取り引きできなくなったりだとか、大規模株主に対しては売買するなということを言ったり、かなり市場メカニズムを無視したような動きを強めていると。
    過去半年で2.5倍に急上昇してきたという、ある種、やはり景気の実態、いまいま非常に景気が悪いにもかかわらず、なんでこんなに伸びたんだっていう、ある種、無理さ加減もあったわけですが、そこから逆に、逆回転する形でかなり下落してしまったというところがありますので、それを市場メカニズムを無理に無視してまで止めなきゃいけないっていうのは、そこまで中国経済は悪いんですかという見方にもつながったんではないかというふうに考えています。

    ● 1人当たりのGDPも高くなってきた中、今の中国の構造はどれほどの比率?

    GDPに占める個人消費の割合というのは、まだ40%ぐらいしかない。
    一方で、投資は50%、消費よりも大きい状態ですので、つまりこれを縮小させると景気には直接的に悪影響が出てしまう。

    一方でじゃあ消費を喚起しようと、消費を盛り上げようと思うと、当然、所得をより上げなければいけないということになるんですが、今の中国、まだ輸出なり、投資なりに依存した状態を脱却できていないということになると、所得が上がる=コストが上がってしまう、いわゆる“ミドルインカム・トラップ=中所得国の罠(わな)”なんていうことばもあるんですけれども、中国はかなり所得が上がってる中で、ほかの途上国に今、追いつき追い越せのような状態で、追い上げられていると。
    そこがやはり中国の成長をまた阻んでしまう、大きな要素になるのではないのかなと考えています。

    ● 何がイノベーションを生む構造転換を阻んでいる?

    やはりイノベーションで重要なのは、情報の行き来であったり、物、金、人の行き来、これが非常に重要なんですが、やはり情報に関していうと、非常に統制されているということもありますし、人、金ということでいくと、これもなかなか自由に行き来ができないという状態になっている。
    やはりこの問題をクリアにするということ。
    もう1つ、やはり経済の中に占める国有企業、これがやはり、かなり真ん中にのさばっているというか、どーんとおもしになってる状態がありますね。
    やはりこの改革を通じて、ちゃんと国有企業でもやはり民営化するだとか、いろいろな息吹が芽生えるような形でなっていかないと、ある種、やはり新たな形でイノベーションが生まれていくような段階にはなっていきにくいんではないかというふうに考えています。
    (GDPの借金の比率もまだ低く、財政出動もできる、金利も4.6%で下げる余地はまだまだある?)
    そうですね。
    政策的にはいろいろやることは可能なんでしょうが、ただ実際のところ財政出動ということになってしまうと、先ほど申し上げた世界金融危機のあとに行われた、4兆元というかなり大きな規模の景気対策を行いました。
    これ、日本円にすると50兆円なんですね。
    当時の中国の経済規模がちょうど日本と同じぐらいですから、それだけの大きな景気対策をすればすぐにV字回復が果たせた一方で、この50兆円を使って何が作られたかっていうと、使いもしないインフラであったりだとか、地方の住みもしない住宅であったりだとか、そういうふうな所に使われて、はっきりとむだばかりが増えてしまった。
    やはりそういったところから転換して、きちんと個人消費だとか、本当の意味で民生向上につながるようなところに向かっていかないと、そのためにはやはり構造改革というのが必要になってきているというふうにいえるのではないかと思います。


    中国経済“減速” 日本への影響は

    ● 日本への影響をどう見る?

    日本の4~6月期のGDP成長率が、前期比年率でマイナスの1.6%ということで、久々にマイナス成長になったんですけども、この1つ大きな要因が、実はやはり輸出がかなり落ちたということがあります。
    1つはやはり中国の景気減速で中国向けが落ちたということもありますし、中国の景気減速によって、実はアジアの国々が足を引っ張られているということもあって、実は日本からアジア向けの輸出も落ちている、両建てで落ちているということが、かなり深刻な影響を与えているというふうに言えるかと思います。

    ● 世界が今アメリカに注目しているが、どう判断する?

    やはり、この中国の景気減速とアメリカの利上げ、これが同じタイミングでくるとなると、非常に問題が大きいのではないのかなと考えています。
    それは何かというと、やはり中国が高成長から減速することによって、新興国にとっては、輸出そのものが減速してしまうということがあります。
    もう1つは、アメリカが金利を引き上げるということになってしまうと、アメリカにどんどんマネーが吸い寄せられていくことになります。
    新興国にとってみれば、どんどん通貨が下がってしまう。
    それによって新興国に何が起きるかというと、インフレが起きてしまう。
    つまり輸出も伸びないし、インフレによって国内の消費も伸びにくいという、非常に苦しい状態になってしまうというのが懸念されるところだというふうに考えています。

    ● 世界中で緩和をしてきて、どれぐらいのマネーが今、広がっている?

    いわゆるマネーとなりますと、実際にお金を刷って出すということに加えて、信用創造というところもあるんですが、単純にお金を刷って出すということだけで考えると、今、アメリカはリーマンショックの前に比べて、急に量的金融緩和を3回やったことで、4倍の水準に実はなっています。
    そこに信用創造というようなことになりますと、マネーの価格というのは実はとんでもない規模になってきている。
    つまり(逆回転を始めた場合)かつての利上げよりも、影響が大きく出やすいんではないのかなというふうに、考えています。

    ● 世界経済に悪影響を与えるかもしれない中、FRBは何を基準に判断する?

    基本的にFRB(=連邦準備制度理事会)は、アメリカの中央銀行であって、世界の中央銀行ではないというスタンスを取っていますので、アメリカがちゃんと景気回復を遂げているのか、もしくはインフレ率が緩やかに上昇しているのかといったところを、非常に重視しているというところですので、一番注目しているのは、恐らく当面のところは今週末、金曜日に発表される8月の雇用統計、ここでやはり雇用の環境がよくなっていて、かつ人々の所得、この伸びが順調に伸びている、それによって将来的にインフレが緩やかに上昇していくということが確認できれば、利上げというふうな可能性も十分に出てくる。
    彼ら、FRB自体はデータしだいというふうなことをずっと言っています。
    やはりそこの個別のデータがどうなっていくのかが重要な要素になってくると考えています。

    ● 日本はどう対応すればよい?

    輸出という面でいくと、やはり輸出に今、成長が過度に依存している部分というのもなきにしもあらずです。
    やはりそこの部分の影響をどう緩衝化するかということのためには、やっぱり個人消費を中心とする内需をどう盛り上げていくのか、そのために必要なのは、やはり構造改革であったり、もしくは社会保障の改革であったり、そういったものをすることによって、将来不安がなくなり、人々がきちんと消費ができるような状態になっていくことが、より必要になってくるんだろうというふうに考えています。

    ● 心配なのは中国の株式市場が大幅に下落したあとの、日本の7~9月期の成長だが?

    そうですね、そこにやはり悪影響が出てくる可能性もありますので、そこをじゃあ、どういうふうにして支えていくのかということも含めて、恐らく政策対応を含めてやっていかないと難しいのではないのかなというふうに見ています。
    (輸出に依存した形での成長より、国内での力強さを改めて求めていかなければならない?)
    そうですね、そちらのほうが割合が高いので、そこを固めていくことが重要になってくると見ています。

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