山室惠

主文
被告人両名をそれぞれ懲役3年以上5年以下に処する。
被告人両名に対し、未決勾留日数中各180日を。それぞれの刑に算入する。
・・・
唐突だが、君たちはさだまさしの『償い』という唄を聴いたことがあるだろうか。この歌のせめて歌詞だけでも読めば、なぜ君たちの反省の弁が人の心を打たないか分かるだろう。

2 thoughts on “山室惠

  1. shinichi Post author

    償い (さだまさしの曲)

    ウィキペディア

    https://ja.wikipedia.org/wiki/償い_(さだまさしの曲)

    裁判での引用

    2001年4月29日、東京都世田谷区の東急田園都市線において、4人の少年が銀行員の男性に対し車内で足が当たったと口論の末、三軒茶屋駅のホームで4人がかりで暴行を加え、のちにくも膜下出血で死亡させるという事件が起きた。

    後日出頭した4人の内、主犯格となった2名が傷害致死罪に問われて逮捕され、事件の重大さから地方裁判所の公開法廷で審理が行われることとなった。裁判の中で2人は「申し訳なく思います」「自分という人間を根本から変えてゆきたい」などと反省の弁を述べた一方、事件自体は酔った被害者がからんできたことによる過剰防衛であると主張し、裁判中の淡々とした態度や発言から、真に事件に向き合い反省しているかどうか疑問を抱く態度を繰り返していた。

    2002年2月19日、東京地裁において判決公判が行われ、少年2人に対して、懲役3 – 5年の不定期実刑が下された。判決理由を述べあげた後、山室惠裁判長が被告人2人に対し「唐突だが、君たちはさだまさしの『償い』という唄を聴いたことがあるだろうか」と切り出し、「この歌のせめて歌詞だけでも読めば、なぜ君たちの反省の弁が人の心を打たないか分かるだろう」と説諭を行った。

    裁判官が具体的に唄の題名を述べて被告を諭すことは異例のことであり、『償い説諭』はマスコミに取り上げられ話題となった。

    さだまさしは新聞社の取材に対して、「法律で心を裁くには限界がある。今回、実刑判決で決着がついたのではなく、心の部分の反省を促したのではないでしょうか」とコメントしたうえで、「この歌の若者は命がけで謝罪したんです。人の命を奪ったことに対する誠実な謝罪こそ大切。裁判長はそのことを2人に訴えたかったのでは」と述べた。

    Reply
  2. shinichi Post author

    (sk)

    事件の時、そして裁判の時に、日本にいなかったので、「三軒茶屋事件」のことは今日まで知らなかった。

    「法律は公平・公正であり、感情的なものであってはならない」という法律の考え方はどこかに吹き飛び、心とか誠実さといった感情や倫理が中心に来る。

    「国家の倫理的中立性・国家の宗教的中立性・国家の信条的中立性といった原則が法解釈の場面で働く場面は限定的にとどまるから、まずは主観的権利論で論じていくほうが適切だ」というのに似て、日本的な裁判のなかには中立性も、公平さも、公正さもない。

    日本では、反省の態度と誠実な謝罪を最後まで演じ切れば、刑は軽くなる。

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