- 自然界にあるものに一切の境はない。境目というのは、分類し、理解をするために人間が勝手に定めたもの。所詮は、人間が自分たちのために作った分類に過ぎない。
- 植物は、動物から身を守るために毒を持つようになった。被子植物はアルカロイドという毒成分を身につけ、恐竜は対応できず中毒死し、衰退していった。
- 私たちの体の細胞には、自ら死ぬためのプログラムが組み込まれている。「死」は地球上に生まれた生命が創りだした発明品である。
- 人間は、さまざまに植物を改良して、変化させてきた。植物にとっては、人間の欲望に合わせて変化することは、自然界を生き抜く苦労に比べれば、何でもなかった。
- 植物プランクトンが作りだした酸素は、紫外線に当たってオゾンとなった。オゾンは上空に充満し、紫外線を遮り、海の中にいた植物が陸に進出するのを助けた。
- 人間は二酸化炭素を増やし、オゾン層を破壊し、植物を減らし、またもとの地球を取り戻そうとしている。その環境でいくらかの生物は進化を遂げるだろう。しかし人類は生き残れない。
植物はなぜ動かないのか
弱くて強い植物のはなし
by 稲垣 栄洋
自然界は弱肉強食の厳しい社会だが、弱そうに見えるたくさんの動植物たちが、優れた戦略を駆使して自然を謳歌している。
第1章 植物はどうして動かないのか?―弱くて強い植物という生き方
第2章 植物という生き物はどのように生まれたのか?―弱くて強い植物の進化
第3章 どうして恐竜は滅んだのか?―弱くて強い花の誕生
第4章 植物は食べられ放題なのか?―弱くて強い植物の防衛戦略
第5章 生物にとって「強さ」とは何か?―弱くて強い植物のニッチ戦略
第6章 植物は乾燥にどう打ち克つか?―弱くて強いサボテンの話
第7章 雑草は本当にたくましいのか?―弱くて強い雑草の話
(sk)
子供向けに書かれた本だそうだが、子供並みの私にはぴったり。とても面白く読んだ。