正村俊之

そのことを端的に物語っているのが、生産から金融へのパワー・シフトである。研究開発→生産→販売という生産の論理に依拠して利潤を得るには時間がかかるが、金融取引に基づく利潤は、時々刻々と変化する為替・金利・株価の変動から生ずる。新自由主義政策の一環として行われた金融の自由化は、金融の力を増大させると同時に、短期的合理性の追求を促進することにもなった。

バブル崩壊後の日本を見ていて時々思い起こす言葉がある。それは、ルーマンが社会を分析する際に使った「ありそうもなさ(Unwahrscheinlichkeit)」という言葉である。この言葉は、社会が成立することは、本当はありそうもないことであり、そのありそうもないことが現に起こっていることを示している。

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