倫理と道徳はどのように異なるのでしょうか。国語辞典で「倫理」を引くと、
人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの。
道徳。モラル。
などと示されており、「道徳」を引くと、
人のふみ行うべき道。
ある社会で、人々がそれによって善悪・正邪を判断し、正しく行為するための規範の総体。
などと示されているように、辞典上ではほぼ同義とされており、一般的にもその解釈が用いられています。ただ、道徳が個人や家族などの小集団に用いられることが多いのに対し、倫理は個々人の関係から社会に至るまでより広範に用いられることが多いようです。
そのため、道徳は日常生活における行動の基準にはなっても、医療現場における治療の方向性などの判断基準にはなり得ないことが多いと言われています。
倫理と道徳
看護実践情報
日本看護協会
http://www.nurse.or.jp/rinri/basis/moral/
倫理と道徳
倫理と道徳はどのように異なるのでしょうか。
国語辞典で「倫理」を引くと、
などと示されており、「道徳」を引くと、
などと示されているように、辞典上ではほぼ同義とされており、一般的にもその解釈が用いられています。
ただ、道徳が個人や家族などの小集団に用いられることが多いのに対し、倫理は個々人の関係から社会に至るまでより広範に用いられることが多いようです。
そのため、道徳は日常生活における行動の基準にはなっても、医療現場における治療の方向性などの判断基準にはなり得ないことが多いと言われています。
例えば、「真実を伝える」という行為について考えてみましょう。
私という個人は、「真実を伝える」ことが正しい行為であると日常生活の中で考えています。これは、道徳的な判断に基づいていると言うことができます。
では、看護職である私は、「真実を伝える」ことが常に正しい行為であると医療現場で考えるでしょうか。 次のような場合を考えてみましょう。
つまり、道徳的な行為は医療現場においては、必ずしも常に一番正しいとは言えないのです。
このように医療現場では、判断に困るような場面に遭遇した際に、複数の道徳や倫理を総合的に判断して決定を下しています。
しかし、その決定は必ずしも常に容易ではなく、どの考え方を優先したらよいか悩む場合もあります。
そこで、その判断にあたっては、合理的な根拠が必要となります。
合理的な根拠のある行動をとることによって、初めて倫理的であると認められるのです。
本サイトの『事例検討編』には、そのような判断に悩むような事例をいくつか掲載しています。
『事例検討編』をご覧になる際には、次の視点に立って、各事例における合理的な根拠とはどういうものなのかということを考えながら読み進めてみてください。
それぞれの事例において、看護職としての倫理的行動とは何かが少しずつ見えてくるはずです。