3 thoughts on “江戸指物みぞろぎ

  1. shinichi Post author

    溝呂木義一

    江戸指物職人 二十九年

    江戸指物みぞろぎ三代目

    台東区優秀技能者

    〒111-0032 東京都台東区浅草6−14−2
    03-3874-3822

    昭和38年浅草生まれ。18才で江戸指物みぞろぎの三代目になるべく祖父、父に師事。木どりから塗りまで全て手作業で行い、飾り棚、抽出箱、小物入れまで何でもこなす。

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  2. shinichi Post author

    浅草発◎下駄を履いて歩こう♪<江戸指物みぞろぎ>

    by 富田 里枝

    http://melma.com/backnumber_114665_4468545/

    和想なる日々 「江戸指物 みぞろぎ」

    — 末代までも使い続けられる江戸指物 —

    江戸指物(えどさしもの)とは、金釘を使わずに木材を組み立てて作る、箪笥、
    鏡台、小物入れなどの木工品。設計、木どり、組み立て、塗りまですべて
    手作りです。
    板と板を寸分の狂いもなく組み合わせ、さらに組み手は外から見えないように
    作られています。

    調べたところ、西の京指物は朝廷用や・茶道具用が発達しましたが、それに
    対して江戸指物は、武家や商人、また歌舞伎役者用のものが発達したのだとか。
    余分な装飾の無い、木目の美しさで素材の味を生かした繊細な作りは江戸っ子
    の気風を感じます。
    見えない所で手間を惜しまず、職人技を駆使して作る指物は「末代までも
    使い続けられる」ほど丈夫で長持ちが特徴。

    — 名人だったおじいさんから受け継いで —

    ‘物差し’を用いることから‘指物’といわれるそうですが、
    「今は機械を使っている人がほとんど。うちはまったく使ってないんだけども」
    と溝呂木さん。
    作業場には、鋸(のこ)、鉋(かんな)、鑿(のみ)など何十種類もの道具が
    整然と並んでいます。代々使い続けている道具もあれば、自分で使いやすい
    ように工夫することも。

    溝呂木さんはおじいさんの代からの指物師。
    「祖父は、指物師として初めて叙勲をいただいた職人。僕が小学生の頃、
    渥美清さんが、役で指物師を演じるというので、おじいちゃんのところに
    見学に来たことがあるんです。サインもらおうと色紙持ってたんだけど、
    とうとうもらいそびれた。うちの横に黒塗りのハイヤーがずらーっと
    並んでるのを見たらびっくりしちゃって(笑)。」

    — 注文があれば何でも作ります —

    ところで箪笥なども指物なんですか?
    「作ろうと思えば作れるよ。指物師っていうのは、何でも作んなきゃいけない
    わけだから。座卓、煙草本、楊枝入れ。大きいものから小さいものまで、
    注文があれば何でも作ります。」

    たとえば、マンション住まいで“洋風のインテリアに似合うようなのが欲しい”
    と要望があったら、作れるのですか?
    「うーん、洋家具の勉強してないから…。洋モノっぽく作ってる人もいるけど、
    なんか格好悪いと思う。あんまりしっくりこないというか、中途半端なものに
    なるような気がして、やりたくないね。勉強不足なのかもしれないけど。」

    最近、人気なのは?
    「一時期は、座卓なんかよく売れたけど、この頃は引き出し類かなぁ。」

    あそこにある、帯締め用の小引き出し、いいですねぇ! 和装関係だと他に
    どんなのがありますか?
    「姿見や半衿箱とか。和装だけに限らずいろいろ使えるんだけども。」

    アクセサリーや時計を入れるのにちょうどよさそうな小引き出しもありました。
    「帯専用の箪笥もけっこう人気があるね。大きな桐箪笥は今の生活スタイルには
    使いづらいせいか、高さのない低い箪笥は、意外と需要があります。」

    — 材料の性質を知り尽くす —

    一人前になるのに、どれくらいかかったんですか?
    「とりあえずひと通りできるようになるまで、10年以上はかかったね。」

    溝呂木さんは高校を卒業してこの道に入り、おじいさん、お父さんから技術を
    受け継ぎました。
    使う材料は、キハダ、キリ、スギ、タモなど。
    木目がきれいで狂いが少ないのがキハダですが、最近は入手しづらくなって
    いて、キリを使うことが多くなっています。
    「おじいちゃんは、スギを使うのが得意だった。スギで名前を残した人。」

    木は湿度で収縮、膨張するので、作る季節にも細心の注意が必要。材料の性質を
    知り尽くし、狂いが出ないように作るのが指物師の技なのです。

    — 江戸指物を見直す時代 —

    エコが叫ばれる昨今、大量生産品の使い捨てではなく、気に入ったものを大事に
    使うという時代の流れになっているのは確かだと思います。
    「こないだデパートに来たお客さんがね、親父がつくった物が20年経っても
    何ともないって。次が要らないってことだからさぁ。下駄なら歯が減ったから
    新しいの買おうとか、あるんだろうけど。」
    と苦笑する溝呂木さんでしたが、自分の好みや暮らしに合った家具を注文で
    作ってもらえて、修理もできる江戸指物は、今もっと見直されてもいいのでは、
    と思いました。

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