西田幾多郎

動物から人間に進化したと云っても人間は動物でなくなったのではない。動物の生命と云っても、既に自己矛盾的である。私は人間は動物を反極として有ち、動物は人間を反極として有つと云う所以である。人間も動物も創造物である。衆生である。
但人間は作られたものから作るものといふ歴史的生命の極致に立つものである。神其像の如くに人を創造したまへりと云ふ如く、矛盾的自己同一の頂点に立つのである。そこに人間は絶対矛盾的自己同一に面する。神に対して立つと云ひ得るのである。
  

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