2 thoughts on “Hank Green

  1. shinichi Post author

    「人間の細胞は数年ですべて入れ替わる」はウソ?
    Do You Really Have a New Body Every 7 Years?

    Hank Green(ハンク・グリーン)

    https://logmi.jp/business/articles/162597

    よく「人間の細胞は数年ですべて生まれ変わる」という話を耳にしますが、本当なのでしょうか? 「SciShow」によれば、そのような言説はインターネット上の与太話にすぎないとのこと。もちろん、短いスパンでどんどん生まれ変わる細胞もありますが、脳の神経系の細胞など、生まれた時のままで変わらない細胞もあるのです。

    細胞の生まれ変わるスピードは役割による

    ハンク・グリーン氏:もしかすると、あなたはネット上で、「あなたの体に隠された驚きの真実」なんていう記事を読んだことがあるかもしれません。もしくは、IT部門のティムが物知りを演出したいがために会社にパーティーで言っているのを聞いたことが。おっと、クレームですか?

    人間の体は細胞段階で7年ごとに新しく生まれ変わる……それはとても魅力的な話です。7年ごとに古い細胞を脱ぎ捨て、まったく新しい体が手に入るなんて。

    しかし、そんなことが果たして本当なのでしょうか。それはちょっと……。細胞の多くは日々再生を繰り返しています。しかし、「新しく生まれ変わる」というのはインターネット上の与太話に過ぎません。

    7年ごとに細胞が新しく生まれ変わる、という話が、なぜ科学的に正しいとは言えないのかという話を進める前に、人体というものについて少しおさらいしましょう。

    細胞はあなたの体を形作る基礎中の基礎となるものです。そんな細胞は数にして何兆にもなります。200種類ものものさまざまな用途に使われる、違う働きを持った細胞が、あなたの体には存在するのです。

    似通った働きをする細胞は、集まり、また違う組織、臓器を形作ります。

    生命維持活動のためには、細胞は一丸となって働かなくてはいけません。しかし、細胞のなかには、過剰な働きを担っているものも存在しますので、日々生まれ変わり続ける細胞が存在するのです。しかし、細胞の生まれ変わりの早さは、体のどの部分の役割を担っているのかによります。

    胃と腸をつなぐ細胞を例に取ってみましょう。そこにある細胞の働きはなかなかのものです。しょっちゅう手羽先に打たれ、それを胃酸に沈めるのですからね。

    トイレで役割の終わりを告げられるまで、数日間はそんな感じなのですから。

    肌細胞もまた、むちゃくちゃな働きをしています。第一線に立ち、病原菌から身を守っているのですから。肌細胞は定期的に結構な量がはがれ落ちてしまいます。ゆえに、数週間ごとにすべての肌細胞が新しくなるのです。

    生まれてから死ぬまでかわらない細胞も
    赤血球はDNAを持っていませんので、自らを治癒することはできません。血液循環による酸素運搬が体内で行われる4ヵ月ぐらいを過ぎると、血流から排出されます。

    白血球の中には2ヵ月くらいしかもたないものもあります。感染症から体を守る働きをしている好中球のような細胞は数時間しかもちません。死滅した好中球は擦りむいた膝の膿みとなります。

    あなたの骨細胞は定期的に入れ替わってます。しかし、細胞で作られたわけではなく、細胞で組み立てられた骨格は、完全に新しいもとのなるのには10年はかかります。

    しかし、ほとんどの筋肉細胞のような、骨格にくっついている細胞はそうではありません。あなたの心筋細胞、心臓の筋肉の細胞はなかなか入れ替わりません。あなたが20歳を過ぎると年間1パーセントしか入れ替わらない上に、歳を取るとさらにその速度は遅くなるのです。

    あなたが人生の終焉を迎える時ですら、心筋細胞は半分しか入れ替わっておらず、半分は生まれた時の細胞のままで終わるのです。

    細胞のなかには決して入れ替わらない細胞も存在します。最初の成長で決められると、生涯にわたって変わらないものです。例えば、生物学的に女性であると、生まれつき卵母細胞、卵細胞を持って生まれるのですが、生涯それは変わりません。

    また、男性であれ女性であれ、歯のエナメル質を増やすことはできません。大脳皮質に存在しているような神経系なども入れ替わりが効きません。アルツハイマーやパーキンソン病を事前になんとかできないはそのためです。

    それにしても、どうして私たちはこんなことを知っているのでしょうか。特別な細胞に期待はかけられないようですが。

    細胞についてわかるようになったのは、実は戦争があったからなのです。冷戦時代の核兵器による爆発は大気中に大量の放射性物質を放出しました。放射線同位体の炭素、炭素14です。

    炭素14は酸素と結びつき、あなたの細胞やDNAを含む、全ての種類の生物の組織に取り込まれてしまう、ダイオキシンを生み出します。

    DNAは生涯一新されることはありません。そのため、炭素14はそのままの水準で体内に蓄積され続けます。

    このことから、スウェーデンの研究者は、細胞に残された炭素14の濃度を量ることで、一新されない細胞の年代がわかると言うことを発見したのです。その研究のおかげで、核兵器の爆発以前の大気中に炭素14はどれだけ含まれていたのか、そして、それ以降炭素14の水準は減少傾向にある、ということを知ることができるのです。

    例えば、核実験が始まる前にあなたのおばあちゃんが生まれたのだとしたら、大脳皮質の神経に炭素14の痕跡は見られないはずです。ご存知の通り、大脳皮質の神経細胞は一新されませんからね。その神経細胞は生まれたときからのものでしょうから。

    その一方で、おばあちゃんの骨や肌、血液細胞は異なった水準の炭素14を示してくれるでしょう。つまり、どの細胞が、どのくらいの割合で生まれ変わっているのかを示してくれるのです。

    つまり、核実験に感謝……なのですかね? 人体の神秘の謎を解明かしたのですから?

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