赤塚不二夫

自分が最低だと思っていればいいのよ。一番劣ると思っていればいいの。そしたらね、みんなの言っていることがちゃんと頭に入ってくる。自分が偉いと思っていると、他人は何も言ってくれない。そしたらダメなんだよ。てめぇが一番バカになればいいの。

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頭のいいヤツは、わかりやすく話す、頭の悪いヤツほど、難しく話すんだよ。

One thought on “赤塚不二夫

  1. shinichi Post author

    バカボンのパパってさ、別にラクして生きてるわけじゃないんだよ。どうすれば家族を幸せにできるかを考えながら一生懸命ガンバってるわけ。そのためには体ごとぶつかっていってる。

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    よく聞かれるんだけど、漫画を描くのに苦しんだり悩んだりしたことが一度もないんだ。「ギャグ漫画は同じネタが二度と使えないので、きつくはないですか」なんて聞かれても、辛いことなど何もなかったからまったくピンとこない。

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    友だちから、人間の勉強をさせてもらうのだ。

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    バカっていうのは自分がハダカになることなんだよ。世の中のいろんな常識を無視して、純粋な自分だけのものの見方や生き方を押し通すことなんだよ。だから、バカだからこそ語れる真実っていっぱいあるんだ。

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    自分が最低だと思っていればいいのよ。一番劣ると思っていればいいの。そしたらね、みんなの言っていることがちゃんと頭に入ってくる。自分が偉いと思っていると、他人は何も言ってくれない。そしたらダメなんだよ。てめぇが一番バカになればいいの。

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    ひとりで考え、ひとりで素晴らしい作品を生み出す人なんてそんなにいやしないよ。天才には必ずその天分を引き出す人間がいて、そいつのほうがもっとずっと天才だったりするんだ。

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    頭のいいヤツは、わかりやすく話す、頭の悪いヤツほど、難しく話すんだよ。

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    60才を過ぎた男がね、「死ぬのが怖い」と言っちゃダメだって。それまでの人生、何をやって来たんだと言うことでしょ?

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    ただバカっつったって、ホントのバカじゃダメなんだからな。知性とパイオニア精神にあふれたバカになんなきゃいけないの。

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    小学校6年の時に手塚治虫先生の「ロスト・ワールド」に出会ってマンガ家になろうと決めて、栄養失調になってもそれを貫いてきた。

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    ひとつのマンガを作るって、そういうイマジネーションをムチャクチャ消費するの。懸命に夢を見て、その夢を紙の上に実際に描かなきゃならない。

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    努力もしたよ。売れるまでは必死に勉強した。いまの漫画の世界はどうなっているのかなって人の漫画を読んだり、手塚治虫先生のストーリー漫画を読んで、あのスケールの大きさを感じて、「あれは先生のものだから、自分は違う道を行こう」と考えたりした。

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    いまの家庭は子供が少ないじゃない。1人か2人で、8人兄弟とか6人兄弟とかいないじゃない。そうすると子供が宝物になっちゃって、それで育てるから甘えん坊になっちゃうんだね。

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    鏡といえば、ジャン・コクトオの映画「オルフェ」が忘れられない。オルフェが鏡の中の世界へ入って行く場面が印象的だった。すべて逆モーションで展開するんだ。しかしね、男は鏡の向こうとか、中へ入っていこうとするが、女は違うね。あくまで鏡のこちら側だ。現実的なのさ。そのくせ、夢のような変身を望んでいたりする。

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    新潟の人には悪いけどオレの故郷はあのデッカイ満州だ。

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    トキワ荘で俺だけ彼女がいたんだよ。ハンサムだったから。

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    覇気があるとか、目標を持つことと、イデオロギーに邁進するというのは違う。イデオロギーってのは怖いよ。オレは10歳のときに終戦を迎えたんだけど、それまで特攻隊になろうと決めてたし、本気で天皇のために死んでもいいって思ってたよ。軍事教育ってやつだよね。

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    差別っていうのはさ、言葉じゃなくて心の中にあるんだよな。「こういうことを言わないようにしようぜ」って言いながら、心の中で思ってることが最低なんだ。

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    自分だけの小さな世界から抜けられないヤツは好奇心がないんだ。オレなんか、世の中の知らないことにものすごく好奇心をもっていたから、毎日がおもしろかった。

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    オレは酒飲んで人にからんだりしないから、飲んでるわりにはトラブルが少ないほうなの。とにかく酒はたのしくなきゃ酒じゃないと思っているからね。たとえ人にからまれたって、すぐあやまっちゃうんだ。

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    最後につじつまがあってりゃ何やってもいいんだよ。

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    なにを落胆してるんだ。バカだからこそ、真実を語れるんじゃないか!

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    「天才バカボン」を描き出した時にもまず思った。バカに真実を語らせようと。そこからバカボンが生まれ、バカボンのパパが生まれたんだ。

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    俺は面白いことが大好きなんだ。ギャグが好きだから、描いていただけ。だからいくらでも描けた。アイデアに苦しんで頭を抱えたことがなかった。本当に、次から次にアイデアがわき出て来るんだ。毎日、酒を飲みながら描いたりしていたんだから。

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    リコウよりバカが英雄なのだ。

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    結局、オレたちの場合、やりたいことがはっきりあったってだけのことかも知れない。

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    女の子と鏡の関係は永遠なんだ。そして、女は常に何かに変身したいという欲望を抱いている。これも永遠ね。

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    自分が最低だと思えばいいんだよ。自分が一番バカだと思えばいいんだよ。そうすりゃ、みんなの言うことがスーっと頭に入ってくんだよ。

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    世の中に友情と欲情ほど良いものはない。

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    今の日本の若いヤツらも1年間ぐらい北朝鮮に留学させたら、少しはビシッとするんじゃないかと思っちゃうよ。主義とか思想は別にしてね。確かに「自由」ってすごく大切なことだけど、自由と勝手なことやるのとは違うじゃない。今の日本の若者には、最低限の礼儀やマナーというものを持ってないヤツが多すぎるね。

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    オレでも、1割バッターなんだよ。

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    酒飲んで女にしつこくまとわりついて、口説いているヤツも見苦しい。もうすこしサラッとできないのかな。酒の場のハーモニーをぶっこわしてまでやることじゃないよ。オレなんか、ポルノ女優が五、六人いる席だって、酒飲んで盛り上がっているときに口説いたことないよ。ほんとうだよ。

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    ウケるためなら、死んでもいい。

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    俺たちの時代は親がものすごく厳しかったから、「自分は自分なりに生きなきゃ」「自分の世界をつくろう」とガキの頃から思っていた。それが影響しているんだ。いまの若い人には、他人に依存して、誰かが何とかしてくれると思っている奴が多いじゃない?そういうのはやっぱり駄目だってことだよ。自分で自分をしっかり生きないと駄目なんだ。

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    給料ほしけりゃハッスルしな。

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    オレは満州から引きあげてきて、奈良の大和郡山に3年間住んでいたんだけど、あのあたりってヨソ者を徹底的に排除する風潮があったんだ。隣がエタ村で、差別意識が定着してたのかもしれないな。オレも差別されたよ。配給の列に並んでて、オレの順番になると「満州、ダメ」とか言って本当にくれないんだから。いい大人が子供に対してだよ。今でも忘れられないよ。

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    オレが倒れたら、脳卒中じゃなくて、脳中卒。

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