山中伸弥

提言1 自分を、周囲の大切な人を、そして社会を守る行動を、自らとろう
提言2 感染者受入れ体制を整備し、医療従事者を守ろう
提言3 検査体制の強化
提言4 国民への長期戦への協力要請と適切な補償
提言5 ワクチンと治療薬の開発に集中投資を

2 thoughts on “山中伸弥

  1. shinichi Post author

    山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

    5つの提言

    https://www.covid19-yamanaka.com/cont6/main.html

    提言1 自分を、周囲の大切な人を、そして社会を守る行動を、自らとろう

    4月7日に緊急事態宣言が7都府県に発令されました。政府諮問会議の専門家は、「今回の宣言はぎりぎりのタイミングである、人と人の接触を8割減らす必要がある」と発言されています。また具体的に「3蜜による人との接触は10割減らす、外出による接触は8割減らす、仕事による接触はまずは4割減らす。在宅勤務を拡大し仕事による接触は5割、6割と減らす努力を続ける」という明確な行動規範を示されています。ウイルスとの闘いは待ったなしの状態です。国や自治体の指示を待たず、自分を、周囲の大切な人を、そして社会を守るための行動をとりましょう!

    提言2 感染者受入れ体制を整備し、医療従事者を守ろう

    無症状者・軽症者用施設の拡張
    ホテル等を利用した無症状や軽症感染者の専用施設設置が広がっています。日本の住宅事情では、感染者の自宅待機は困難です。無症状者の自治的活動や、感染後に回復した方の活用も検討し、出来るだけ収容できる数を増やすことが必要です。また滞在される方のストレス軽減も重要な課題です。

    医療従事者の保護
    重症者、重篤者の増大により、医療従事者の労働が過剰になり、感染のリスクも高まります。
    ・感染病床の増床
    ・人工呼吸器や防御服の増産、自治体をこえた柔軟な利用
    ・ローテンションなど、医療従事者の過重労働の軽減
    ・医療機関による役割分担体制の整備
    ・医療従事者の感染症対策に関する教育
    ・緊急性の低い、他疾患に対する処置や手術の延期
    医師・看護師など医療関係者を、感染と過重労働から守る必要があります。

    提言3 検査体制の強化

    感染者や濃厚接触者の急増により、PCR検査の必要性が急増すると予想されます。必要な人に、速やかに、かつ安全にPCR検査を実施する体制の強化が必要です。検査可能件数に対して、実際の検査数は半分以下です。どこが律速段階になっているかを明らかにし、検査数を増やすべきです。
    また感染の拡大を全国規模で把握するため、抗体検査の確立やビックデータの活用を早急に進めるべきです。

    提言4 国民への長期戦への協力要請と適切な補償

    2月末のイベント自粛や休校措置の際、「ここ1,2週が山場」という言葉が誤解され、3月中旬に人が観光地や繁華街に溢れました。今回の緊急事態宣言においても「1か月頑張ろう!」という発言が誤解される可能性があります。厳格な対応をとっても、中国では第1波の収束に2か月を要しました。アメリアでは3か月と予測しています。第1波が収束しても、対策を緩めると第2波が懸念されます。対策は、ワクチンや治療薬が開発され、十分量が供給されるまで続けなければなりません。数か月から1年にわたる長期休業の間、事業主に対しての補償、従業員に対しての給与の支払いや再開時の雇用の保証を、国と自治体が行う必要があります。
    国民に対して長期戦への対応協力を要請するべきです。休業等に対する強力で迅速な対策が必須です。

    長期戦を考える上で、世界各国のデータで、10歳以下の子供は感染が非常に少ない、また感染かしても重症化することは非常に少ないことが示されています。保育園、幼稚園、小学校低学年の休園校については、少しづつ再開を検討すべきかもしれません。

    提言5 ワクチンと治療薬の開発に集中投資を

    ワクチンの開発には1年は要する見込みです。アビガン等の既存薬が期待されていますが、過度の期待は禁物です。新型コロナウイルスの特性に応じた治療薬の開発が緊急の課題です。アメリカ等でワクチンや治療薬が開発されても、日本への供給は遅れたり、高額になる可能性もあります。産官学が協力し、国産のワクチンと治療薬の開発に全力で取り組まなければなりません。

    3月31日に行った「5つの提言」

    提言1 今すぐ強力な対策を開始する

    ウイルスの特性や世界の状況を調べれば調べるほど、新型ウイルスが日本にだけ優しくしてくれる理由を見つけることが出来ません。検査数が世界の中でも特異的に少ないことを考えると、感染者の急増はすでに始まっていると考えるべきです。対策は先手必勝です。中国は都市封鎖をはじめとする強硬な対策をとりましたが、第1波の収束に2か月を要しました。アメリカの予想では、厳密な自宅待機、一斉休校、非必須の経済活動停止、厳格な旅行出張制限を続けたとして、第1波の収束に3か月かかると予測しています。
    わが国でも、特に東京や大阪など大都市では、強力な対策を今すぐに始めるべきです。一致団結して頑張り、ウイルスに打ち克ちましょう!

    提言2 感染者の症状に応じた受入れ体制の整備

    無症状や軽症の感染者専用施設の設置を
    ・省令等により、無症状や軽症の感染者は、病院でなく専用施設で経過観察できるようにする
    ・日本の住宅事情では自宅待機は困難な場合が多い。
    ・予約が激減しているホテルや企業の宿泊付き研修施設を活用
    ・業務用EVなど利用し、感染者動線と非感染者動線を分離
    ・無症候者は施設内のジムなども利用可能とするなどしてストレス軽減
    ・管理業務は、感染しても重症化リスクの低い方に十分な感染防御の上でお願いする
    ・無症状者の自治的活動や、感染後に回復した方の活用も検討
    ・重症者用病院と連携し、急激な重症化に備える
    ・風評被害の対策を国と自治体がしっかり行う
    無症状者・軽症者用の施設をいかに安全に、かつ快適に運営するか、各自治体の腕の見せ所です。

    重症者、重篤者に対する医療体制の充実
    ・感染病床の増床
    ・人工呼吸器や防御服の増産、自治体をこえた柔軟な利用
    ・ローテンションなど、医療従事者の過重労働の軽減
    ・医療機関による役割分担体制の整備
    ・医療従事者の感染症対策に関する教育
    ・緊急性の低い、他疾患に対する処置や手術の延期
    医師・看護師など医療関係者を、感染と過重労働から守る必要があります。

    提言3 検査体制の強化(提言2の実行が前提)

    これまでわが国は、無症状や軽症の感染者の急増による医療崩壊を恐れ、PCR検査を限定的にしか行ってきませんでした。しかし、提言2が実行されれば、その心配は回避できます。また、このままでは医療感染者への2次感染が急増し、医療崩壊がかえって加速されます。自分が感染していることに気づかないと、家族や他の人への2次感染のリスクが高まります。また感染者数を過小評価すると、厳格な対策への協力を得ることが難しくなります。一方で、検査は検体を採取する医療関係者への2次感染の危険を伴います。さらに検査場に多くの人が殺到すれば、感染がかえって広がる恐れもあります。安全な検査体制を工夫する必要があります。PCR検査を必要な時に必要な数だけ安全に行う体制の強化が求められています。これは世界各国の行政や科学者の知恵比べです。

    提言4 国民への協力要請と適切な補償

    短期間の自粛要請を繰り返すと、国民は疲弊します。厳格な対応をとっても、中国では第1波の収束に2か月を要しました。アメリアでは3か月と予測しています。第1波が収束しても、対策を緩めると第2波が懸念されます。対策は、ワクチンや治療薬が開発され、十分量が供給されるまで続けなければなりません。数か月から1年にわたる長期休業の間、事業主に対しての補償、従業員に対しての給与の支払いや再開時の雇用の保証を、国と自治体が行う必要があります。
    国民に対して長期戦への対応協力を要請するべきです。休業等への補償、給与や雇用の保証が必須です。各国首脳や政治家の手腕が問われています。

    提言5 ワクチンと治療薬の開発に集中投資

    ワクチンの開発には1年は要する見込みです。アビガン等の既存薬が期待されていますが、副作用も心配されます。新型コロナウイルスの特性に応じた治療薬の開発が緊急の課題です。アメリカ等でワクチンや治療薬が開発されても、日本への供給は遅れたり、高額になる可能性もあります。産官学が協力し、国産のワクチンと治療薬の開発に全力で取り組まなければなりません。

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  2. shinichi Post author

    山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

    https://www.covid19-yamanaka.com/index.html

    新型コロナウイルスは前例のない難敵です。これまで控えめな発信に努めてきましたが、もう待ったなしの状況です。上からの指示に関わらず、自ら行動しましょう。学校の休校以上に、大人が我慢しなければなりません。もうぎりぎりです。海外から学びましょう。社会を守りましょう。目を覚ましましょう。


    今、求められる対策は?

    ウイルスとの闘いは、有効なワクチンや治療薬が開発されるまで手を抜くことなく続ける必要があります。1年以上かかるかもしれません。マラソンと同じで、飛ばし過ぎると途中で失速します。ゆっくり過ぎると勝負になりません。新型コロナウイルスは難敵です。しかし、みんなが協力し賢く行動すれば、社会崩壊も医療崩壊も防ぐことが出来るはずです。今、私たちが新型コロナウイルスに試されています。私たちの団結力を見せつけなければなりません!


    皆で知恵を出し合い、工夫しましょう

    オーケストラの楽員の方の「僕たちは不要不急。要らないって、言われているみたいで悲しい」との発言が放映されていました。そんなことはありません!困難な時こそ、芸術やスポーツが人々の心の支えとなります。画面やスピーカー越しにも感動は伝わります。会場に行かずとも応援する手段があるはずです。社会経済への影響は前例が無いくらい大きいですが、それぞれの職種で何か手はあるはずです。みんなで助け合い、創意工夫で困難を乗り越えましょう。


    「桜は来年も帰ってきます。人の命は帰ってきません」 研究所員へ送った所長メッセージ(一部抜粋)。

    所長便り 2020年3月26日

    「桜は来年も帰ってきます。人の命は帰ってきません」

    例年より早く桜の開花が進んでいます。いよいよ春ですね。

    皆さんにお願いがあります。今年のお花見は、人混みは避け、近くで咲いている桜の周りを散歩するだけにしてください。

    多くの人が集まり、座り込んで宴会するのは、たとえ屋外であっても飛沫感染や接触感染のリスクが高まります。自粛要請があるとは言え、この週末は全国から多くの人が京都に来られるかもしれません。新型コロナウイルスはすぐそこにいるかもしれません。感染すると、自分は症状が出なくても、周囲に広がって、リスクの高い方には生命の脅威となります。

    新型コロナウイルスはすぐそこにいるかもしれないと自覚することが大切です。桜は来年も必ず帰ってきます。もし人の命が奪われたら、二度と帰ってきません。

    1人1人が油断せず、万全の対策を取って頂きますよう、お願いいたします。

    山中 伸弥

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