人がいる場所

真理とか正義とかが必要な前時代的な人たちが
真理とか正義とかから抜け出せずに悩んで
人は意識の根源を直視していないといい
不安や焦躁や倦怠が不幸の根源なのだという

不幸を感じることができるのは高貴な証だとか
人でない生き物は不安や焦躁や倦怠を感じないだとか
わかったようなわからないようなことを言いつのって
人は動物とは違う高尚な存在なのだという

人は考えることができるから
自分が死ねると知ることができるし
宇宙が優れていると知ることもできる
でも宇宙は考えられないから何も知らない

人の尊厳を空間や時間に求めてはいけない
多くの土地を所有したところで優れていることにならないし
長い時間を生きたところで偉大なわけではない
尊厳は考えることにしかない

そんないい加減な論理が語り継がれ
哲学とか知恵とかいって残ってきたが
気が付けば周りには真理も正義もなく
人が特別な存在だと考える人も もうあまりいない

人だけが特別だという宗教のせいで
人は地球の主だと勘違いし
地球とそこに住む生き物をないがしろにし
人のおごりが人を滅ぼそうとしている

人は地球に住まわせてもらっていて
他の生き物と一緒に生かされていて
地球とそこに住む生き物がなければ
存在すらできないのだと知るべきだ

人はじつは考えることができない
人はなんにも知らない
そうでなければ私たちが
こんなふうに生きているわけはない

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