夢とうつつ

うつつと夢
夢とうつつ
うつつの夢
ゆめうつつ

うつつと夢の境目は
はっきりしていれば 迷うこともないけれど
あいまいになると 本当かどうか不確かになり

うつつが夢と思えてきたり
夢がうつつを飲み込んでしまったり
すべての存在が うつつか夢かわからなくなる

あるものはないように思え
ないものがあるように思える
でもいずれにしても すべてがいつかはなくなる

なくなるものは 初めから
なかったのかもしれないと
そう思って君を見たら 君が目の前から消えた

君はうつつ 君は夢
でも 君はいる
確かにそこにいる

2 thoughts on “夢とうつつ

  1. shinichi Post author

    (sk)

    夢とうつつの境がはっきりしている歌:
    うばたまの 夢になにかは なぐさまむ うつつにだにも あかぬ心を
     - 清原深養父
    恋ひわびて うち寝るなかに 行きかよふ 夢の直路は うつつならなむ
     - 藤原敏行
    ほととぎす 夢かうつつか 朝露の おきて別れし あかつきの声
     - よみ人知らず
    君や来し 我や行きけむ 思ほえず 夢かうつつか 寝てかさめてか
     - よみ人知らず
    かきくらす 心の闇に まどひにき 夢うつつとは 世人定めよ
     - 在原業平
    むばたまの 闇のうつつは さだかなる 夢にいくらも まさらざりけり
     - よみ人知らず

    夢とうつつの境界があいまいな歌:
    うつつには さもこそあらめ 夢にさへ 一目をよくと 見るがわびしさ
     - 小野小町
    夢路には 足もやすめず かよへども うつつに一目 見しごとはあらず
     - 小野小町

    この世に現実はなく夢そのものだという歌:
    夢とこそ いふべかりけれ 世の中に うつつあるものと 思ひけるかな
     - 紀貫之
    寝るがうちに 見るをのみやは 夢といはむ はかなき世をも うつつとは見ず
     - 壬生忠岑

    この世は夢かうつつか分からないという歌:
    世の中は 夢かうつつか うつつとも 夢とも知らず ありてなければ
     - よみ人知らず

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