考える

目の前に見えているのは
誰もなにも考えない社会

考えると都合が悪いから
なにも考えようとしない

他人から聞いたことをオウム返ししたり
誰がなにを言っても適当に話を合わせる

言っているほうも聞いているほうも
なにも考えてはいけない

昔 長屋では噂話だけが真実で
お城では殿様だけが正しかった

今 マンションのドアは固く閉ざされ
会社では AI がすべてを決める

長屋では みんなと同じ人がいい人で
お城では 従うことがすべてだった

マンションのなかではなにをしてもよく
会社では管理に従っていればいい

長屋では 考える人は追い出され
お城では 考えれば切腹が待っていた

マンションのなかではなにも考えず
会社でもなにも考えないでいい

マンションにいても 会社にいても
インターネットやらなにやらから
世界中が流れ込み
それだけでなく
なにかが僕らを監視し
管理する
なにをしてもわかってしまい
なにを考えてもわかってしまう

わかったからって
どうってことはない
要注意という
ブラックマークが付くだけだ

誰もなにも考えない社会で
考えて考えて考える
君のことも
思って思って思う

考えない人たちは
考えないから
そんなことにも
なにも言わない

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