生命

針の切っ先に立っていたジミー・ペイジは
いつのまにかベンチに腰かけている
あれほど気難しかったジェフ・ベックは
笑顔を振りまくショーマンになっている
カッコよかった人たちが
カッコ悪くなったのではない
ただ年をとっただけ
時間が経っただけなのだ

いったいどれだけの生き物が
この地球上にいるのだろう
想像もつかない数の生命のなかの
たったひとつの生命に
いったいどんな意味があるのだろう

何億年に亘る生き物の営みのなかで
何十年しか存在しないひとつの生命など
ないも同然ではないか

戦争に駆り出されて失う生命も
安逸をむさぼって生き延びる生命も
短い生命には変わりない

一人の生命は
地球よりも重いとかいうけれど
一人の生命は
地球の生命に比べるべくもない

ベンチで休んでいるジミー・ペイジも
指が動かなくなったジェフ・ベックも
走れなくなったヨハン・クライフのように
カッコいい
私たちは誰もが
ノーボディー
何者でもないし
誰の記憶にも残らない

ジンギス・カンが何を考えていたのか
誰にもわからない
ジンギス・カンの墓がどこにあるのか
誰も知らない

膨大な数の生命のなかで
一つの生命の存在は
とても小さい
それなのに
たったひとつの君の生命は
とても大きい
びっくりするくらい
大きい

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1 Response to 生命

  1. shinichi says:

    (sk)

    第270作
    Life

    Jimmy Page
    http://www.kushima.org/is/?p=5522

    Jeff Beck
    (人生無駄に過ごした)
    http://www.kushima.org/is/?p=52115
    から何らかの刺激を受けて

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