阿修羅像

興福寺の阿修羅像は三面六臂
右の幼い少年の顔には反抗心が見て取れ
左の思春期の顔には思い詰めたような表情があり
正面の青年期の顔は決意がみなぎっている

善悪もこの阿修羅像に似ている
まず善悪の基準に反抗し小さな悪を演じる
次に善悪は誰が決めるのかなどと思い悩む
そして善悪を超え 迷いを断ち まっすぐに生きる

宗教とか哲学とか倫理とかに惑わされることなく
学校とか会社とか常識とかに振り回されることもなく
文化とか慣習とか権威とかに従うわけでもなく
誰が言ったからといって 誰かのせいにするわけでもない

人が決めた あるべき姿に
押し込めようとしても
一人ひとりに 持って生まれた姿があって
誰も あるべき姿には近づけない

結局は 人は生き物で
生き物であることからは逃れられない
生き物は生きようとする
そして生き物はいつか必ず死ぬ

だからというか
それでというか
決意を持って生きる
前を向いて生きる

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