杉浦由美子

 なぜ、今までメディアは彼(小泉進次郎)への批判を遠慮してきたか。それは彼が人気者だったからだ。その人気を支えるのは女性層である。彼女たちは小泉進次郎を「進さま」と呼んでいた。進さまファンを自称する女性と話していて、こう訊かれたことがある。
「リベラルと保守ってどう違うんですか? 自民党はどっち?」
 この時、池上彰はすごいと思った。急にこの質問をされて、分かりやすく説明するのは難しい。
 そして、こういう「リベラルと保守ってどう違うの? 自民党はどっち?」と疑問を持つ女性層は決して政治に興味がないわけでも、意識が低いわけでもない。選挙には必ずいく。それが国民の責任だと思っている。反対に、新聞や週刊誌の政治経済の記事に目を通し、情報を持っている人たちは「どの政党も候補者もダメだ」と絶望していき、投票を放棄し出す。
 どちらを味方につけた方が選挙に勝てるかといえば前者である。進次郎氏はこの「情報をもってないが、意識は高く選挙には行く」層をつかんできた。そして、この層はマジョリティであり、政治家だけではなく、メディアも無視できない。彼女たちが拒否する情報は報道できなかった。

One thought on “杉浦由美子

  1. shinichi Post author

    なぜファンは進次郎氏を見捨てたのか
    逆風が吹き始めたきっかけは入閣よりも結婚か

    杉浦由美子

    https://webronza.asahi.com/national/articles/2019100800002.html?iref=btmob

    メディアが手の平返しを始めたわけは

     小泉進次郎環境相への批判的な報道が止まらない。

     少し前までは「将来の総理大臣」としてヒーロー扱いだったが、持ち上げられてきたが、現在は、小泉進次郎の発言を「ポエム」と揶揄したり、政治家としての実力を疑問視したりする報道が溢れている。メディアは読者や視聴者の欲望に応えていく。今現在、小泉進次郎への批判的な報道を求める人が増えているから、そこに向けて、記事を提供している。

     以前から報道関係者たちは、進次郎氏の政治家としての実力に疑問をもっていた。それがここにきてようやく批判的な記事を出せるようになってきて、メディア全体がはしゃいでいる印象もある。さて、なぜ、彼はバッシングしてもいい対象になったのか。

     彼がバッシングされるようになった転機は9月の入閣ではなく、結婚発表だったはずだ。
     なぜ、今までメディアは彼への批判を遠慮してきたか。それは彼が人気者だったからだ。その人気を支えるのは女性層である。彼女たちは小泉進次郎を「進さま」と呼んでいた。進さまファンを自称する女性と話していて、こう訊かれたことがある。

    「リベラルと保守ってどう違うんですか? 自民党はどっち?」

     この時、池上彰はすごいと思った。急にこの質問をされて、分かりやすく説明するのは難しい。

     そして、こういう「リベラルと保守ってどう違うの? 自民党はどっち?」と疑問を持つ女性層は決して政治に興味がないわけでも、意識が低いわけでもない。選挙には必ずいく。それが国民の責任だと思っている。反対に、新聞や週刊誌の政治経済の記事に目を通し、情報を持っている人たちは「どの政党も候補者もダメだ」と絶望していき、投票を放棄し出す。

     どちらを味方につけた方が選挙に勝てるかといえば前者である。進次郎氏はこの「情報をもってないが、意識は高く選挙には行く」層をつかんできた。そして、この層はマジョリティであり、政治家だけではなく、メディアも無視できない。彼女たちが拒否する情報は報道できなかった。

    美しすぎて好感度が伸びないタレント

     小泉進次郎が「肉食系で女子アナとデートしまくり」という情報は以前からどこの週刊誌もつかんでいた。報道するタイミングを待っていた。そして、それが結婚発表だった。広告代理店の社員はいう。

     「結婚相手によっては、二股三股疑惑が出ても、ファン層は『英雄色を好む』的にとらえ、進次郎さんはさほど好感度を落とさなかったと思いますよ。滝川クリステルさんだから反発が起きたんです」

     なぜ、相手が滝川クリステルだと反発されるのか。

     「広告業界では滝川クリステルさんは綺麗すぎるため、同性の共感が得られないと判断されてきました。彼女はフリーになった当初、資生堂のシャンプーCMに出て話題になりましたが、その後は化粧品等の女性ターゲットのCMには起用されなくなっていきました。だって、女性消費者はあんな絶世の美女と同じ化粧品を使おうって思わないですよ。かつては女優の伊藤美咲さんがそのポジションでした。美しすぎて、女性からの好感度が得られにくい。同性からの好感度は親近感で決まります。たとえば、CMに多く起用され続ける30代人気女優たち・・・・・・深田恭子さんにしろ、綾瀬はるかさんにしろ、完璧な美人ではないでしょう。美しさよりキュートさが勝る感じ。深田恭子さんは写真集も売れていますが、それは女性ファンが買っているからなんです。自分を重ね合わせられるから、”私もこういうスタイルになりたいな”と思って見ている。滝川クリステルさんに自分を投影できる女性はまずいないですよね」(広告代理店社員)

     「進さま」ファンだった40代女性は進次郎氏の結婚発表を聞いた時の感想をこう話す。

     「ハリウッドドラマの中で黒人のヒロインが『白人の美人はいつも得をする』と話すシーンがあるんです。それを思い出しました」

     滝川クリステルの日本人離れした美貌は、憧れというより嫉妬の対象になるのかもしれない。

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