安田峰俊

「“低度”外国人材」とは、どのように定義づけられる人々だろうか?
おそらくそれは「国内の資本・労働と健全な補完関係に置かれておらず、容易に代替が可能な劣位の人材」で、かつ「我が国の産業にイノベーションをもたらさず」「日本人との切磋琢磨もなく専門的・技術的な労働市場の発展を促すこともなく」「我が国労働市場の効率性を高めないまま働いている人材」といったところになる。
さらに言うならば、(年齢は若いかもしれないが)学歴・年収が低く、日本語はろくに喋れず専門知識もない、非熟練労働に従事している人材。日本国家が温かく歓迎しているわけでもないのに、向こうから好き好んでやってくる人材──。そんな残酷な説明もできそうである。

1 thought on “安田峰俊

  1. shinichi Post author

    「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本

    by 安田峰俊

    日本政府をはじめ、公的機関が使用している言葉、「高度外国人材」。
    「高度」な人材がいるということは、国の定義とは真逆の属性を持つ人材も存在するはずだ。
    それは、「(年齢だけは若いかもしれないが)学歴・年収が低く、日本語はろくに喋れず専門知識もない、非熟練労働に従事している」人たちといえる。
    しかし、日本社会は彼らにこそ強く依存しており、必要としているではないか。
    生身の「“低度“外国人材」は、紋切り型の報道のなかで語られるような、絶対的な弱者や被害者たちの群れではない。
    ましてや、陰謀をたくらむ存在でもない。
    そもそも中国は経済成長をとげ、稼げない日本に見切りをつける中国人は多く、在日外国人問題の主役はベトナム人に移行している。

    ──われわれは記号としての弱者や敵を想定していたのに、いたのは人間だった。

    3年にわたって中国、ベトナム、日本各地を回り、生身の姿に迫ったディープルポ!

    【目次】
    はじめに
    第一章 コロナ、タリバン、群馬県――隣人は平和な「イスラム原理主義者」
    第二章 「兵士」たちの逃亡と犯罪――主役は中国人からベトナム人へ
    第三章 頼りなき弱者――ベトナム「送り出し」業者に突撃してみれば
    第四章 「低度」人材の村――ウソと搾取の「破綻した制度」
    第五章 「現代の奴隷」になれない中国人――稼げない日本に見切りをつけるとき
    第六章 高度人材、低度人材――「日本語だけは上手い」元技能実習生
    第七章 「群馬の兄貴」の罪と罰――北関東家畜窃盗疑惑の黒い霧
    おわりに

    Reply

Leave a Reply

Your email address will not be published.