スティーブン・ジョンソン

 

 
全人口のうち、生後五カ月や五歳で死亡する割合が高ければ、その死亡が全体の平均寿命を大幅に引き上げる。しかし、そうした子どもの大半が大人になるまで生き延びれば、平均寿命は急上昇する。
平均寿命が上昇の一途をたどる象徴的なグラフには必ず、同じくらい奇跡的な子どもの死亡率の傾向をたどる第二のグラフを添付すべきだということになる。

One thought on “スティーブン・ジョンソン

  1. shinichi Post author

    EXTRA LIFE なぜ100年で寿命が54歳も延びたのか

    by スティーブン・ジョンソン
    translated by 大田直子

    人類の寿命は100年間で2倍に延びた。ほかでもない、人間自身が延ばしてきたのだ。本書は、遺伝子操作や老化を抑制する薬などない時代に、世界中で起きていた、さまざまな分野における“命のイノベーション”の物語である。
    医薬品や殺菌、自動車など機械の安全装置、統計データ解析、飢饉の回避など、一見地味だが、どれが欠けても寿命は今より短くなっていただろう。そして、これらが私たちの“当たり前”になるまでの物語には、人類の未来を築くための重大なヒントがある。
    世界史の教科書で取り上げられるのは、華々しい発明や偉業を成し遂げた一部の天才に限定される。しかし、寿命を延ばした歴史を語るには、それだけでは不十分だ。
    「人々を死なせないため」のイノベーションがもたらしたものは、決して後世を生きるわれわれにとって輝かしい成果だけではない。その功罪を知ることで、私たちは人類の寿命を縮める「災禍のリスト」をつぶす道を見出せるかもしれない。

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