腐敗国家 ウクライナ

ウクライナ政府はこれまで「毎月の財政赤字は月50億ドルだ」としていた。これですら欧米諸国が直ちに支援できる金額を大きく上回っていたが、今回提示した金額はその2倍に近い。
ウクライナ政府は追加資金の使途について、何百万人もの人々の緊急収容設備の設置や住宅修繕、失業者への最低生活保障などを挙げている。
ロシアの侵攻以来、600万人以上のウクライナ人が欧州などに逃れたが、そのうち300万人以上が既に帰国している(7月11日付ロイター)。避難民の9割は女性や子供であり、「ウクライナでは以前から人身売買を巡る犯罪が問題になっていたが、その状況は急速に悪化している」との懸念が急速に高まっている。
帰国したものの路頭に迷うウクライナ人に「助けの手」を差し伸べるための支援であるため、できる限り早期に実施する必要があるが、援助する側の西側諸国にとって極めて頭が痛い問題が浮上している。
日本ではあまり知られていないが、ウクライナは世界に冠たる「腐敗国家」だからだ。

One thought on “腐敗国家 ウクライナ

  1. shinichi Post author

    ウクライナは世界に冠たる「腐敗国家」 援助する西側諸国にとっても頭の痛い問題

    by 藤和彦

    デイリー新潮

    https://news.yahoo.co.jp/articles/eb0b9a57fdd99a0f4ac2cf3a5841c3d90c15047

     ロシアによるウクライナ侵攻から5ヶ月が経過した。戦線は膠着状態に陥り、「消耗戦」の様相が強まっている。犠牲者や戦費ばかりが日ごとに増えていく展開だ。

    「ロシア財政はいつ破綻するか」の議論がなされることが多いが、それ以上にウクライナ財政が深刻な状態に陥っているのは言うまでもない。ロシアが侵攻を開始して以降、戦費がかさむ一方、税収と関税収入が落ち込んでいるからだ。穀物や鉄鋼の輸出が滞り、ウクライナ政府の外貨収入も途絶えている。

     深刻な財源不足を補填するため、ウクライナ中央銀行は国債の買い入れ額を加速度的に増やしている。6月は4月と5月の買い入れ額(17億ドル)の2倍以上の36億ドル分の国債買い入れを強いられている。

     輸入代金の支払いを担保する目的で保有する外貨準備にも手を付けざるを得なくなっており、ウクライナ中銀は「6月だけで外貨準備高の約9パーセントに当たる23億ドルを取り崩した」ことを明らかにした。激減する外貨準備を温存するため、ウクライナ中銀は通貨フリブナの対米ドルレートを25%切り下げる措置を余儀なくされているが、これにより足元の高インフレの状態にさらに拍車がかかるリスクを生じさせている。

     ウクライナ財政の窮状に対処するため「禁じ手」を乱発しているウクライナ中銀に対し、西側諸国は「このままでは重要な公的サービスを長期的に提供する政府の能力が損なわれてしまう」と警戒感を強めている。

     ウクライナ中銀が貴重な外貨を国内の資金需要に充当しているため、同国の海外債務の支払い能力が急速に低下していることも気になるところだ。

     ウクライナ国営ガス会社ナフトガスは26日、3億3500万ドル分の債務の2年支払い猶予を海外の債権者に求めていたが、承認されず、政府からも支援が得られなかったことから、債務不履行(デフォルト)に陥った。ロシアの侵攻開始後、ウクライナの国営企業初のデフォルト事例となった。

     ウクライナ政府はこれまで「海外投資家の信任をつなぎとめることが大切だ」として国営企業も含め債務の返済を延期しようとしなかったが、限界に達してしまったのだ。

     ウクライナ政府は20日、各国の債権者に対し国債利払いなどを2年間凍結するよう要請していた。主要債権国などはこの要請を支持したものの、格付け会社フィッチ・レーテイングスは22日「デフォルトと同様のプロセスが開始された」との認識を示し、ウクライナ政府の格付けをこれまでの「CCC」から「C」に引き下げた。

    実は「腐敗国家」のウクライナ

     ウクライナ政府は国際通貨基金(IMF)に対しても債務の負担軽減を求めている。

    「金欠」がますます深刻化するウクライナ政府は7月に入り、同国の財政赤字を補填するために毎月90億ドルの支援が必要であることを明らかにした。ウクライナ政府はこれまで「毎月の財政赤字は月50億ドルだ」としていた。これですら欧米諸国が直ちに支援できる金額を大きく上回っていたが、今回提示した金額はその2倍に近い。

     ウクライナ政府は追加資金の使途について、何百万人もの人々の緊急収容設備の設置や住宅修繕、失業者への最低生活保障などを挙げている。

     ロシアの侵攻以来、600万人以上のウクライナ人が欧州などに逃れたが、そのうち300万人以上が既に帰国している(7月11日付ロイター)。避難民の9割は女性や子供であり、「ウクライナでは以前から人身売買を巡る犯罪が問題になっていたが、その状況は急速に悪化している」との懸念が急速に高まっている。

     帰国したものの路頭に迷うウクライナ人に「助けの手」を差し伸べるための支援であるため、できる限り早期に実施する必要があるが、援助する側の西側諸国にとって極めて頭が痛い問題が浮上している。

     日本ではあまり知られていないが、ウクライナは世界に冠たる「腐敗国家」だからだ。

     ドイツの首都ベルリンに事務局を置く国際NGOトランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は1995年から毎年「腐敗認識指数」を発表している。この指数は世界の国々の腐敗に関して最も一般的に用いられる指標だ。今年1月に公表された最新版ではウクライナは世界180カ国中122位となっている(ロシアは136位)。

     ソ連崩壊後、ウクライナでもロシアと同様の腐敗が一気に広がった。独立後のウクライナはマフィアによって国有財産が次々と私物化され、支配権力は底なしの汚職で腐敗していった。現在に至るまでウクライナには国家を統治する知恵や経験を持った政治家や官僚がほとんど存在せず、マフィアが国家の富を牛耳ったままの状態が続いている。政党「国民の僕」を立ち上げ、大統領に就任したゼレンスキー氏も有力なオリガルヒ(新興財閥)の傀儡に過ぎないとの指摘がある。

     汚職の蔓延が指摘されるウクライナで腐敗根絶を担う国家汚職対策局のトップに同局で捜査員を務めるクリメンコ氏が就任した(7月21日付CNN)。国家汚職対策局のトップはウクライナの慢性的な汚職構造を懸念する支援国にとっては重要な位置づけとされ大きな注目を集めていた。35歳のクリメンコ氏は2016年に入局後、ウクライナ鉄道の横領疑惑や政界の有力者の汚職容疑など国民の関心が高かった重要事件を捜査した経歴を持つ。異例の抜擢からわかるようにたしかに有能な人物だろうが、同氏だけの力でウクライナの「長年の宿痾」を早期に治癒させることは困難だ。

     国際社会は、悲惨な暮らしを強いられている一般の人々のために、ウクライナ政府に対して、抜本的な汚職対策を直ちに講じるよう、強い圧力をかけるべきではないだろうか。

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